八月二十二日(金曜) 雨
午前、雨未だ霽れず。翁助遂に終にして田村へ行く。
さあ自分の生活にも従前といさゝか変った処が出来てくる訳だ。人間らしい生活が出来る。
午後、福井の下に大根を蒔き、後清水下の畦草を刈る。
青年会内部に不良分子が現れて来た。徴罰に附せねばいかん。
早生稲は綺麗に穂が出揃うた。草出来の加減で見れば例年の一割位いは増収である。春夏共に繭は相当取れ、而して今の糸価は又高値。桑も伸びる。秋蚕が順調に行けば本年は不景気と百姓は泣く事はない。
銭の流通して居ないのは政府の為す処だろう。通貨を低下せしむれば自然国民は勤倹になる。