大正13年8月20日 | 胡桃澤盛のブログ

胡桃澤盛のブログ

戦間期の農村に生きた一青年の日記。長野県下伊那郡河野村。大正デモクラシーの時代、左傾青年運動にも心を寄せていた胡桃澤盛(くるみざわ もり)は、やがて村長となって戦時下の国策を遂行する。その日記には、近代日本の精神史が刻み込まれていると言えよう。

八月二十日(水曜) 雨

前夜より雨。終日仕事を休む。『罪と罰』を読む。底到他の作者の書き得ない微妙な心理作用を巧みにして居る。北羽場で小児が死亡したので父、母行く。

Sは来て居ない相だ。翁助が昨夜限り帰らない。嫌になったらしい。乃公も悪人になったかな。憎まれる事だ。夜、松葉屋へ講に往く。

雨尚歇まず。