大正13年8月20日八月二十日(水曜) 雨 前夜より雨。終日仕事を休む。『罪と罰』を読む。底到他の作者の書き得ない微妙な心理作用を巧みに現して居る。北羽場で小児が死亡したので父、母行く。 Sは来て居ない相だ。翁助が昨夜限り帰らない。嫌になったらしい。乃公も悪人になったかな。憎まれる事だ。夜、松葉屋へ講に往く。 雨尚歇まず。