駅構内で知人とモラハラな結婚話を聞いている直後に、まさしくそこでモラハラなカップルを見た。

今までの私の人生に『モラハラ』と言う言葉は存在していなくて、だから彼女の離婚の理由が『モラハラ』と聞いても、ピンとこなかった。

彼女から『モラハラ』とはどういうものかを聞いていた、まさにそのタイミングで、『モラハラ』を見た。

電車から降りてきたカップルが言い争いのようなものをして、女性が半泣きに。

私たちは心配そうに、でもちょっと恐れながら見守っていた。

しばらくすると、二人は行ってしまったようで、ほっとしていたら、目を向けた無効に、女の人が土下座をしていた。ジーンズからパンツをはみ出しているのに、微動だにしない。周りが奇異の目で見ていていることも気にも留めず、一生懸命彼に向かって「申し訳ありませんでした」

彼の姿は私たちからは見えない。

結局駅員さんが見つけ、二人を連れ去った。

私たちはほっとしながらも、言葉にできない感情をシェアできないまま、別れた。

私の中にはない世界を垣間見た興奮はあるけど、憐みや怒りも混ざった複雑な感情が残った。これを誰かに伝えることもできない。伝えるものではないのかな?よくわからない。

自分の意見を言うことができない状況にならない、と言うわけじゃないけど、思ったことはできるだけどんな状況であれ伝えてきた。会社の上司にもけんかした友達やパートナーだった人たちにも。

それが私のできる正直な態度で、相手にも理解してもらうというスタンス。

一方的に攻撃を受けているのをどうしようもない、とはやっぱり思えないから、ゆがんだ関係から早く抜け出せるよう祈る。

これを学びだとか引き寄せたとか簡単には言えないし、私には理解できない世界だから口にできないけど、自分も含めソウルメイトに出会えたらいいね、って切に思う。