歌っていただきたい!

歌っていただきたい!

「歌ってみた」ならぬ「歌っていただきたい!」。
この曲をこのアーティストに、という勝手な思いを綴ります。
Official髭男dismの曲を軸に音楽への思いを放出。
いつか出るトリビュートアルバムで答え合わせできたら♪

この曲のMVは一見異様な世界を映しているように感じる。内容としては、ヒゲダンのメンバーがスタジオで歌ったり休憩している様子が流れるものだ。ただ、関わる人はすべて特殊メイクが施されモンスターの様になっているか、アメリカンテイストな人形。いろいろな解釈ができるとは思うけど、私が感じたのは仕事している人は少なからず仮面をかぶっているということを表しているのでは、ということ。やる気がある日もあればない日もある。プライベートで大きな問題を抱えていても平気な顔をして平常運転してる人も、いつ仕事を辞めようか悩んでいる人もいるだろう。そう考えると普段見せている顔は営業用で、家に帰れば全然違う素顔を見せる人もいるだろう。むしろそういう人の方が多いかもしれない。ヒゲダンメンバーが素顔なのはモンスターの世界ではなくて、あくまでも現実の世界を描きたかったからなのだと思った。

 

だからといって関わる人すべて心にもないこと言ってるんじゃないの、と思ったら身が持たないし、その場の顔同士でその場をやり過ごすのがうまい生き方なんだろう。私自身、体調が悪かったりすると、いつも流せることがずっと気になって心が重くなったり、歌詞に出てくるように♪変わらない人たちに悩まされては癒される♪こともある。

 

最初にきいたときから、歌詞に出てくる♪スーツでもスエットでも♪という言葉が印象的だった。仕事で疲れすぎ、スーツを脱ぐのも面倒で、帰り道のコンビニで買ってきた遅めの夕飯を食べながらnews zeroをぼーっとみている一人暮らしの若い男性の姿がイメージできた。思えば宿命は甲子園の情報番組、HELLOもエンタメ要素の強い情報番組のテーマソングだった。同じ情報番組とはいえ、日常はもうちょっと固い情報番組のテーマソング。アニメやドラマだけでなくさらに幅広く需要があり、それだけ幅広い層に触れてもらえる機会が得られている。誰のどんな日常にも寄り添ってくれる曲になっていると感じる。

 

通常news zeroはみない、と前回書いたが、ヒゲダンが有働由美子さんのインタビューを受けてフルバージョンが公開された日は録画してみた。ついでにエンディングもみた。エンディングではその日のニュース映像が切り取られたバックで日常が流れる。どのような内容だったか覚えていないが、政治家のニュースと日常の歌詞のはまり具合が絶妙で大笑いした。うっかり録画を消してしまったが、あそこの部分だけもう一度みたい。いつもの歌詞が全然違ってきこえた。

 

それから、藤井風さんがYouTubeで「むかつく」という言葉でヒゲダンを称賛していたが、この曲の間奏でイントロと同じメロディーが出てくるのがにくい、とも言っていた。繰り返される日常を、繰り返されるメロディーで表わしているのだろう。今日はTM NETWORKが40周年ときき、この記事もTMのCDをききながら書いているのだが、アニメ・シティーハンターのエンディングテーマになったSTILL LOVE HERという曲のメロディーのループを思い出した。もう会えない彼女をぐるぐる回想しながら、刻一刻変わっていく街の描写が淡々と歌われている。同じメロディーが繰り返される技を、昔と今にみた。

 

次回、相思相愛、かなあ。