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歌っていただきたい!

「歌ってみた」ならぬ「歌っていただきたい!」。
この曲をこのアーティストに、という勝手な思いを綴ります。
Official髭男dismの曲を軸に音楽への思いを放出。
いつか出るトリビュートアルバムで答え合わせできたら♪

アルバム・REJOICEが発売されるという発表からしばらくして、収録曲の発表もあり、すでに世に出ている曲がほとんどを占める中、気になるのは新曲たちだった。前2作のアルバムには藤原さん以外のメンバーが作った曲が入っていて、今回もそれも楽しみにしていた。発売までは、タイトルだけで誰が作った曲か推理するのができることのすべて、とも言ってよかった。結果としてはすべて藤原さんの作(小笹サウンド楽しみにしてたので残念)だったけど、中でもとても気になっていたのがこのうらみつらみきわみだった。どれだけおどろおどろしい曲なのか、中島みゆきさんのようなテイストなのか、いろいろ想像する日々を送っていた。実際は予想とは違い、非常にポップなサウンドに藤原節ともいえる?毒の詰まった歌詞が乗るという痛快な曲になっており、一発でとりこになった。

 

この4月から職場に入ったメンバーでちょっと困った人がいて、ご自分の自慢を♪まだするまだするまだするんかよー♪ということが、たくさんあったり。それ以外の部分もまるでその人のことを知っているかのような歌詞、私の心の黒いものはきけばきくほど昇華されていくようだった。それでもまだムッとしてしまうことはあっても、ヒゲダンが私の気持ちを代弁してくれただけで、私の気持ちは軽くなっていったようだった。その人がいないところで「ちょっとさっきのあれ何?」みたいな会話になって、私以外の人は結構激怒していて、もちろん私も激しく同意してはいてもどこかその域を超えてしまっているような私がいる。この曲には非常に救われている。

 

サビで♪あんな人間どっかで転んでしまえばいいのに♪というのがかわいい。あまりひどいこと言っちゃうと♪自分に跳ね返りグサリ♪だからだろうか。たいそうお怒りのご様子のAメロBメロなのに、転ぶ程度でいいんだ、とギャップにちょっとおかしくなった。普通もうちょっと過激なこと考えちゃうものでは?そこまで黒くなくて残念なようなほっとしたような。と思っていたところでaikoさんの花火をきいた。♪一度や二度は転んでみれば♪という歌詞がある。そこではっとした。時に、「転ぶ」という言葉は人生につまづくようなニュアンスも含んでいることに。やっぱりブラックだった、と背筋が凍る思いだった。あとは歌詞でいうと♪各所♪と♪随所♪という言葉が好き。あまり歌詞に入れない言葉なのに、さりげなく使っているところがステキ。

 

このスカっとソング、ぜひトータス松本さんに歌っていただきたい。そしてコーラスもウルフルズのメンバーのみなさんにやっていただきたい。トータス松本さんはウルフルズのボーカルで、椎名林檎さんとコラボしたりもしていて、長く広く愛されているバンド・ボーカリストだ。私はちょうど、ヒゲダンのアルバムを待つ間、図書館でウルフルズのベスト盤を借りてきいていた。ほぼすべて知っている曲でヒット曲の多さにも改めて驚いたし、テンションの上がる曲も多く、パワフルで大阪弁の飾らない歌声も魅力、必要十分なバンドサウンドもシンプルですごくいいなあと思った。トータス松本さんの声はきくだけでスカっと爽快、うらみつらみきわみにマッチするのではと思ったのだ。

 

次回B-Side BluesSharonについて書こうと思う。