上顎には「上顎洞」という空洞が有り、インプラントが困難なケースが有ることは前回も記載しましたが、それでも「上顎に、入れ歯ではなくインプラントで噛めるように出来ないか?」という相談はしばしば受けます。

 

今回は左上の欠損部に対し、上顎洞内に人工の骨を作り、インプラントをおこなったケースを紹介します。

 

初診時の患者さんの口腔内とレントゲン写真です。

抜歯後20年以上経過していたため、上顎の骨は大きく吸収していて、インプラントを行うための充分な骨が確保出来ません。

 

そこで先ずこの上顎洞内に人工の骨を作る処置を行いました。

CTを撮影し、上顎道内の状態を観察します。

側方より内部の上顎洞粘膜を破らない様に骨だけを剥離します。

この粘膜を破らない様にそっと持ち上げ、その中に骨を作る材料を填入します。

填入したら剥離した骨を戻し閉鎖します。

翌日の顔面の状態です。

少し内出血と黄疸は見られますが、腫れは大きく有りません。

 

術後のレントゲン写真です。

術前のレントゲン写真と比べると「白い部分」が広くなっていることが分かります。

 

この状態で4〜5ヶ月待ちます。

 

患者さんの了解を得て、写真掲載しています。

 

【久留米の】くまもと歯科医院