久しぶりの溶接仕事だ。
マフラーを作らなくなってからメッキリ溶接機の出番が減り、毎回壊れてないか?と心配するのだが…今回も無事動いた(笑)やはり1980年代のパナソニック溶接機は名機らしい。ちなみにMEIJIの昭和40年代コンプレッサーも名機らしい。どちらも愛用してますけど👍

さて今回はGDBインプに装着したフジツボのマフラー音量を抑えたい、って事でアペックスのエキゾーストコントロールバルブを付けます。RM01Aだったかな、1本モノ。都合良い分割フランジはありません。入口接続部も困った事にバルジフランジときたもんだ😭


バンデージで巻かれた触媒付きフロントパイプはHKS。コレが排気効率を上げた反面マフラー音量が大きくなる原因となった訳で。どうにかファーストアイドルだけでも音量抑制を、とご依頼頂きました。

マフラーバルブは今や負圧式か電磁式がメインなのだが…イマドキのはバイパス経路を有するサイレンサー用だからほぼ全閉で経路を塞ぐ事で消音経路に導く為のバルブ、ってのが多いのです。

1経路用の消音バルブはコレではダメで。
ある程度排気が抜けないとダメなので使えそうなのは定番のアペックスくらいしか無いな〜、と毎回検索するもコレに落ち着くのです。


しかしアペックスのEC(以下エキゾーストコントロール)バルブは70もしくは80パイの設定。
フジツボのメインパイプは76.3パイ。

使うなら80パイだよな、、
バルブの為に内径絞るのもなぁ。。
そうか、肉厚1.5ミリだから内径77パイなら76.3パイプとクリアランスは0.7ミリ、半径で言えば0.35ミリだ。これなら何とかなるだろう。

って事で80パイのメガネフランジを用意。バルブユニットが少し干渉するので切削して手持ちの80パイパイプを5センチにカットして溶接。とりあえずフィッティング準備は完了。


さぁ、仮組みしたら装着位置を決めよう。


フロアトンネルのクリアランスが確保できて、
パイプのストレート区間が最低15センチ、
なるべくサイレンサーより上流側、

これらの条件を満たすのはマフラー入口直後だった。フランジとコントロールバルブ、バタフライの摺動を考慮すると5センチ分はカットしておく必要がある。

しかしカットにはバンドソーだなぁ。
高速カッターで切ってた頃が懐かしい。切り口は湾曲するし騒音大きいし、面修正が大変だった。

さて溶接。
角度はかなり精査した。最終的にワイヤー通さないとダメだからね。かといって突出部が地上高に影響するのも良くない。


いったん考察したが双方から差し込む様にした。
出口側は逆では?と指摘されたがそもそもコントロールバルブ内径も77パイだし、76.3パイに差し込める様に絞ると更に内径は小さくなるから、そこまで拘った割には、、という結果が予想されたので。

最近のマフラー材は406だったかのSUSパイプなので304と色味も異なるからなるべく短くして大きく補修した様な感じにしたくなかったのだが…5センチは短すぎたかフランジに引っ張られて結構な歪みが出てしまった。結果差し込んだ時のクリアランスが1周の中で疎密が生じタダでさえ久しぶりで手こずった溶接作業に拍車をかけた(笑)

ま、溶接って技術者はいかなる条件でも綺麗にビードを出すけど…僕達はいかに溶接条件を整える準備ができているか?だな。溶接のビードでお金を貰う仕事じゃないのが幸い💦


しっかり冷ましたら装着してワイヤリングだ。
ミッションのシフトレバーブーツからコンソールを通って足元に出し、ステア横のスイッチ群の下に出すのがベストかと。
ワイヤーはカット出来ないので長くても短くても困る。短いのはどうしようも無いが、幸い計算より少し長かったのでこの位置で決定。

絶妙にドアトリムに当たらず、
スイッチ群の邪魔にならず、
ヒューズボックスのアクセスが何とか出来る位置。しかもこのレバー部分を固定するステーはなかなか強固で4カ所のビス留めが必要だからその面積も確保する必要がある。
着いちゃえば何て事無いけどこういう自由度と制約のある部品は精査に時間を要するね。

ではお楽しみの結果計測だ。



アイドルから水温が落ち着くのを待って計測。
実に5dbの消音‼️これは効果大。
ターボは低音出るからやはり減衰効果がかなり高いね。

しかしくれぐれも閉じた状態で走るのはダメよ🙅‍♂️
排気温度上がってセンサー焼けるしエンジンの負担もかなり大きくなるから。基本は全開、必要な時だけ閉じる、固着しない様なるべく動かす、意識するだけで随分と耐久性変わります。トラブルの殆どがバルブ軸の錆による固着だからね。

ちなみに、、
当社S2000用サイレントスポーツマフラーは中間接続部にコチラのマフラーバルブ日産用70パイが装着出来る様になっております。AでもBでも装着できます👍今年のマフラー販売分はあと2台です!