それでは安倍続投は決定的だな--、と思われる状況になったのだが、

早くも、政界では『安倍続投』が決まろうとしている。自民党内で第二の勢力を持ち、次は首相候補として立つだろう、と見られていた岸田文雄元外相が、まるで周辺の期待に堪えかねたように『安倍首相を指示する』と言い放ったのである。

 

『なんだい? それでは安倍続投は決定的だな--』と、思われる状況になったのだが、それでがっかりしたのは、もう一人の首相候補として立候補する決意を固めた石破茂だろう。地方党員に強く指示されているとはいえ、大派閥の岸田派が安倍支持になってしまっては、勝つのはなかなか困難だ。

 

●数え切れないほどの不正と悪政をやってきた安倍政権。

『一寸先は闇』と評されるのが政界情勢だが、そもそも、数え切れないほどの不正と悪政をやってきた安倍政権を次期首相の呼び声が高かった岸田文雄が、真っ先に安倍続投を支持したのはなぜか。

 

岸田は、『未来永劫、安倍首相1人に、頼り続けることも許されず、安倍時代もいつかは後が巡ってくるので、その時に何をするのか、今から考えておかなければならない』と、心境を語ったとされているが、現在の政界で起きている問題は、そのような政権相続のような呑気なことではない。

 

●森友学園と加計学園でやった安倍の不正、すなわち悪事はすでに明々白々。

岸田がその立場にあって、この時期に安倍ストップに立ち上がらないのならば、安倍不正政治を容認することになるのである。刑事事件になっていないのだが、森友学園と加計学園でやった安倍晋三の不正、すなわち悪事はすでに明々白々である。

 

これを『犯罪ではない』として許容するならば、自民党や政府が『罪にならなければ問題はない』という卑しい道徳感に陥ることになり、それは結局、『日本列島に正義が住む場所はない』状況になってしまうのである。

 

●書くのもいやになるような堕落した独裁的な政治を黙認した岸田。

岸田は、広島県を地盤とする3代目の衆議院議員で池田元首相が率いた宏池会の会長である。安倍政権で内閣府特命担当大臣、外務大臣、防衛大臣を歴任していが、宏池会といえば、元来、憲法改定には否定的だった派閥である。

 

その岸田が政治的に何一つ安倍首相の会見路線に発言できず、書くのもいやになるような堕落した独裁的な政治を黙認してしまい、安倍続投(三選)にいち早く手を挙げると言うのは、どういうことか。

 

●この薄汚い利己的な政治に対して『ダメだ!』とはっきり指弾すべき政治家。

『安倍時代もいつかは後が巡ってくる』という、その時を待つ積もりだろうが、これだけの悪政を見て見ぬふりをする政治家に、果たして政権を引き継ぐ資格があるのだろうか。国民はそんなことを許してはならない。この薄汚い利己的な政治に対して『ダメだ!』とはっきり指弾すべきである。

 

外に頼れる政党がないなどと言わず、自民党を政権から引きずりおろして、野党に投票して野党議員による連立政権を立てて、日本列島を汚職から救い出さなければならないのである。このようなやりたい放題の悪徳政権を長く許容しているのは、悪を質し正義を守る勇気が国民にないからだということを強く意識しなければならないと思う。