第三次世界大戦は何時か勃発するのだろうか。

はたして、第三次世界大戦は何時か勃発するのだろうか。安倍首相の熱心な集団的自衛権を使わないと日本を守れない、とする様々な戦争実例を聞いていると、ふと、そんな心配に襲われる。


しかし、70年も平和だった日本では、『やがて戦争になる』という予想はいかがなものか? とも思う。少なくとも日本近海で周辺諸国と武力衝突が発生するような事件は、この70年間なかったのである。


●ロシアも中国も日本攻撃の準備をしている状況は全くない。


ロシアが日本を攻撃する準備をしているとか、北朝鮮が日本列島に向けてミサイルを発射しようとしている、といった緊迫したし状況はなかったのだ。中国もチベット高原で紛争が起きたり、ロシアやインドと領地をめぐって深刻な対立があったりしたが、日本とのそうした切迫した状況は起きなかった。


我々日本人には、尖閣諸島の周辺で発生した海上保安庁の巡視船と中国の漁船が接触した事件(2010年9月7日)が想起される。しかし、これは、領海侵犯している中国漁船がこれを起きい払おうとした日本の巡視船に体当たりしてきたもので、日本の巡視船は船長の中国人を逮捕拘束した事件である。


●日本は周辺諸国と案外仲良くやってきているのである。


その後、衝突時のビデオが露営して大きな話題になったものの、これは、単なる中国民間人(漁師)と海上保安庁の巡視船が接触したのであって、軍事的な衝突ではなかった。


このように冷静に考えてみると、日本は周辺諸国と案外仲良くやっているのであって、戦争の危険が迫っているわけではない。日本が中国と強く対立しているというのは何かの錯覚である。


●中国が軍事力を増大しなけばならないのは対抗処置だ。


それは、アメリカ軍部のアジアにおける『防共戦略』の影響を日本が強く受けているためであり、その共産主義の脅威が軍事的なものでなければ、日米安保条約も現在のように強固なものである必要はなく、日本にある米軍基地も大幅に縮小出来ることになる。


日本がアメリカの手先のような軍事力を持っていなければ、中国も現在ほど軍事力を強化する必要はなかった。中国はアメリカと対峙しているかぎり、軍事力を増大しなけばならないのであって、あくまで、対抗処置なのである。


●『日本もアメリカを守る』という相互安全保障の危険性。


日本は、アメリカ側に立っているために『中国の脅威』を感じざるを得ないのであるが、もし、軍事的にアメリカから独立していて『中立』しているならば、安倍政権のように集団的自衛権の行使など考える必要はないわけだ。


安倍首相は、アメリカに従属してきた外交・軍事的立場をさらに徹底して、『アメリカに守られている』ことから、『日本もアメリカを守る』という積極的な相互安全保障をやって行くことを考えているのだろう。


●自衛隊が世界各地の戦争に巻き込まれる可能性が高くなる。


しかし、世界一戦争をやっているアメリカを支援して集団的自衛権の行使のできる国に日本がなってしまうのは、非常に危険である。そうすることになれば、中国や北朝鮮だけが相手ではなくなってしまい、日本の自衛隊が世界各地の戦争に巻きこまれる可能性が飛躍的に高くなる。


日本が行く方向は、そのような危険な戦争協力国家になることではない。そうではなく、軍事的に独立してアメリカと一線を画した平和外交を促進する国にならなければ、『恒久平和』は実現しないのである。


●『平和の誓い』を破り捨てて独断的に突っ走るのは許されない。


国民の反対を押し切って、憲法違反の集団的自衛権を行使する国になってしまえば、日本の自衛隊はアメリカの手先になって世界各国の紛争に参戦することになるだろう。


日本は、手酷い敗戦を経験して『戦争を放棄する』『戦力は持たない』とまで憲法に定めたのに、その『平和の誓い』を破り捨てて『アメリカの戦争のお手伝いをします』と、独断的に突っ走るのは、靖国の英霊も許さないのではないか。