『ニュースの重要性』はその人によっていろいろと違うのだが。
あまり適切な日本語がないのだが、ニュースバリューと言うのは直訳すると『情報価値』ということだろう。gooの辞書には『ニュースの重要性』となっている。ところで、これはその人によっていろいろと違うのであって、統一された基準があるのではない。
民放テレビのあるニュース番組では、その日のニュースを、ネットでアクセスの多かった順にべすと10として標記して、さらに、参加している解説者にその中の気になるニュースを指摘させて、それを映像で説明する、というやり方で放送している。
●中国株暴落のニュースと兜町の日本株急落のニュース。
まんざら悪くない方法だが、今日、見ていて驚いたのは、そのベスト10に香港株式市場での中国株下落がランクインしているのに、肝心な兜町の日本株急落のニュースがベスト10外になっていないことだった。
日本人でも中国企業の株式を買っている人もいるのだろう。だが、それに比べれば日本の株式に投資している人が圧倒的に多いはずだ。これはネット調査なので、実際に株式投資をしていない人々の関心度なのかもしれない。
●『公共放送』と自称するNHKのニュースバリューが変だ!
このニュースバリューについてだが、新聞やテレビの報道でもそれぞれで『おや?』と感じてしまうことが多い。そして、この頃になってどうにも気になるのがである。
ようするに、この『公共放送』を自他ともに認めている放送局の放送方針、つまり、ニュースバリューがおかしいのではないかと思ってしまう場合が急増してきたのである。
●内容によっては全国放送で流す必要がないものが多い。
いちいち番組を出すほど書けないのだが、その気になることを指摘すれば、
1)事故や事件報道が多くなった。
2)天候と風雨に関する報道が多くなった。
3)海外情報が増えた。
などである。
これらも知りたい情報なのだが、地方や内容によっては全国放送で流す必要がないものが多い。また、これは週刊誌ネタのようなスキャンダルではないか、と感じるニュースもある。
●凶悪犯罪や交通事故なとが増えたと感じるのは報道が原因。
海外のニュースなどは、そんなこと日本で放送しても仕方がないのではないか。日本国内にもっと放送しなければならないニュースがあるのに、と思う場合が多い。
最近になって、凶悪犯罪や交通事故なとが増えたと感じるのだが、実際のデーターを見ると減少しているのである。これは、報道機関(メディア)が取り上げる量が増えたのが理由なのである。
●意図的にニュースバリューを変換しても誰も気がつかない。
ニュースバリューは、その機関の編集方針によって変化する。それが科学的な数値で図られるものではなく、場合によっては編集長が替わるだけで変化する時もある。
それだけに、実はだれかが密かに意図的に情報を操作するためにニュースバリューの判断を変換していても、誰も気がつかない場合があるのである。
●最近のNHKは政治的なニュースを避けようとしている?
もちろん、これは編集部員や制作スタッフには分かるのだが、ニュースの受け手には察知できないものだ。だが、最近のNHKは政治的なニュースをなるべく避けようとしているのてはないか、と思わせる場合が多くなった。
視聴者から料金を取って、視聴者の立場に立って必要なニュースや番組を放送しなければならない。ところが、その取捨選択、ニュースバリューの判断が、為政者の立場や政府の都合に合わせて行われているとすれば、公共放送と自称するNHKが自らの依って立つ視聴者(国民)を裏切っていることになる。
●『公共』が役所や政府のことだったりするのは間違いだ。
公共放送の『公共』が役所のことだったり、政府のことだったりするのであれば、とんでもない考え違いである。もとより政府は公平な自由選挙で選ばれた政治家によって樹立されている。
しかし、一度、政府ができてその政権が国政を運営することになれば、その立場は国民と一線を画すことになるのである。現政権と与党が、しきりに報道機関に自分たちの立場で情報を発進するように働きかけている時だけに、NHKは『公共』ではなく『国民』の立場にいることを忘れてはならないと思う。