ユーロー全体の問題として協力しなければ解決しない。

ギリシャ危機は、どうすれば解決するのか。自分には分からないのだが、ひとつだけ言えることは、ここまで深刻な状況になってしまったら、自国だけではどうにもならないだろうと思う。


ユーロー(EU)全体の問題として、突き放すのではなく『救済』することで協力しなければならないということだ。それには、ギリシャ国民も謙虚に反省する必要があるのだが、果たして、それができるのかどうか。


●日本に当てはめてみれば『東京の一人勝ち』ということだ。


アリとキリギリスの童話ではないが、ドイツ人とギリシャ人は民族性が全く違うらしい。それ程違う人々が通貨と経済(金融・銀行)を一つの共通のものとして運営することにしたのだから、このような問題が発生するのも当然の帰結なのかも知れない。


『ドイツの一人勝ち』というのがユーローの現実になっている。これは、あえて日本に当てはめてみれば『東京の一人勝ち』ということである。日本は政府が『地方創生』とかの地方活性化政策を打ち出している。


●ギリシャ人はあくせく勤勉に働く習慣は古代からないのだ。


だが、この日本の地域格差問題も簡単には解消できないだろう。ドイツに言わせれば、『労働意欲がなく、呑気に遊んでいてなにをいうか』となるのだが、ギリシャでは若者の失業率は25%にもなっていて、働きたくても仕事がないのである。


『呑気に遊んでいる』と言うが、ギリシャ人はあくせく勤勉に働く習慣は古代からないのだ、と反発するけだろう。--そういえば、朝の出勤時にルフトハンザの駅前に散歩に行ったら、ドイツの人々が早足で整然と行き交う姿に接して、遊び心で出て行った自分はちょっと驚かされたのを思い出す。


●一緒に暮らすのは無理なアリとキリギリスなのである。


アリがキリギリスを責めるのは酷というものだ。もとを質せば、一緒に暮らすのは無理なのである。今後を一緒にやっていこうとういのなら、この現実を認め合って話し合い、どうすれば上手くやっていけるのか、経済の仕組みを考え出さなければならてい。


日本の地方活性化問題も、地方のやる気とか努力とかの問題では解決できない地理的、経済的(産業)、歴史的なもので発生する経済格差がある。政府がそれを認めて、地方の独自性を活かす制度を創る必要がある。


●TPPに加盟して農業や魚業の地方は国際競争にさらされる。


例えば、消費税などを全国一律に実施するなど、無理な不公平(悪平等)な政治だと思う。もはや手遅れだが、大店法を全国に適用したのも地方衰退の大きな原因になった(これは再考の余地がある)。


まだいろいろあるが、政府が地方が経済的に衰退する政治をやってきて、今更地方創生もないものだ、と言いたくなる。これからTPPに加盟して、農業や魚業は国際競争にさらされることになる。


●日本の財政赤字は他国からの借金ではないので倒産しない。


これは、地方経済を直撃することになるのだが、政府はこの問題をどのように解決して『地方創生』をして行くつもりなのか。国会は『戦争のやり方』が憲法違反になるのか合憲になるのか、と非現実的な議論に熱中している。


果たして、こんなことで日本は大丈夫なのだろうか。ただ一つ、はっきり言えることは、日本政府の財政問題は他国からの借金ではないので、デフォルト(倒産)する心配はないということである。国民の富裕層が溜め込んでいる1650兆円から税金を徴収すれば、財政問題は、即、解決するのである。