リチャード・ロンクレイン監督の英国映画『輝ける人生』(2017)を元日に「飯田橋ギンレイ・ホール」で観ました(※)。
この映画は長年連れ添った夫婦とダンス教室に通う人々の人生模様が描かれていることから、『Shall We ダンス?』(監督:周防正行 1996)を彷彿とさせる、人生経験ある人々の生活模様を垣間観ることが出来る作品ではないかと考えます。
映画は35年連れ添った夫チャーリーにナイトの称号が与えられることを祝う席で妻サンドラ(イメルダ・スタウントン)が夫の不貞を知ってしまうという波乱の冒頭から始まります。
家を飛び出した妻は姉ビフ(セリア・イムリー)の家に一方的に押しかけ、目線の高い状態で住みだしますが、そこで自由な人生を謳歌する姉の通うダンス教室に通うことで、恋愛を含めた人生の自由な在り方に気付くという展開になります。
レディの称号を受けるまでになったサンドラが、舟で暮らす男や離婚経験豊富な女性達とダンスを通じて打ち解けて、終盤にダンス・チームとして皆でローマの舞台に立つという流れを自然に描く手腕には感服してしまいました。
この作品に登場するダンス教室の生徒達が紆余曲折がありながらも、それぞれ確固とした人生観を持っていることを知ったサンドラが、これまでの自分に欠けていた、偏った価値観に捕われずに物事を受け入れるという自由な精神に目覚めて行く姿には感銘を受けました。
この映画はファンタジーを感じさせてくれるエンディングが慶びを与えてくれたことから、新年の幕開けに素晴らしい映画に出逢えた幸せを噛み締めることが出来ました。
(※)私事で恐縮ですが、1982年に上京した頃住んでいた簡易アパートが飯田橋にありましたので「ギンレイ・ホール」と今は無き「佳作座」(現’OASIS’)には郷愁を覚えます。
PS 歌やダンスを出演者がスクリーンの中で披露するのがミュージカル映画であるとするのならば、この映画と『Shall We ダンス?』はダンス教室を中心にした作品であることから広義のミュージカル映画と考えても良いのではないかと自分は考えますが如何なものでしょう。
§『輝ける人生』
