『ガール!ガール!ガール!(Girls! Girls! Girls!)』は、ノーマン・タウログ監督が『ブルー・ハワイ』(1961)を撮った翌年1962年に、再びハワイを舞台にしてメガホンを取ったエルビス・プレスリー主演のアイドル・ミュージカル映画です。
エルヴィス・プレスリー(役名:ロス・カーペンター)はハワイを拠点とする船乗り兼マグロ釣りガイドで、ボートやセーリングを趣味としています。
上司がアリゾナに引退すると知ったエルヴィス・プレスリーは、養父と共同で建造したヨット「ウエストウィンド」を買い取る方法を模索し始めます。
エルヴィス・プレスリーは、クラブ・シンガーのステラ・スティーヴンス(役名:ロビン・ガントナー)と、資産家を父に持つ令嬢ローレル・グッドウィン(役名:ローレル・ダッジ)という2人の女性との恋の挟間を漂っています。
経済的な困窮から養父が実業家ジェレミー・スレート(役名:ウェズリー・ジョンソン)に売却したヨットが、エルヴィス・プレスリーには手の出ない高値で売却されていることを知ったローレル・グッドウィンは、エルヴィス・プレスリーに内緒で買い取ることを決意します。
義父のヨットを買い戻す為に、本格的にクラブで歌い始めたエルヴィス・プレスリーは、ステラ・スティーヴンスとのデートの時間が作れなくなったことに加え、仕事仲間となったステラ・スティーヴンスと話している姿をローレル・グッドウィンが見た事から、エルヴィス・プレスリーとローレル・グッドウィンの関係に擦れ違いが生じます。
或る日、ローレル・グッドウィンがエルヴィス・プレスリーの居る場所まで、船を頼もうとジェレミー・スレートの事務所に向かうと、ローレル・グッドウィンに気のある彼は、自分が操縦する船で案内することを申し出ます。
しかし、沖合でジェレミー・スレートにローレル・グッドウィンが言い寄って争っている姿をマグロ漁船から見かけた少年・アレクサンダー・ティウは、友人であるエルヴィス・プレスリーに、ローレル・グッドウィンの危機を無線連絡します。
高速ボートで駆け付けたエルヴィス・プレスリーは、ジェレミー・スレートからローレル・グッドウィンを引き離します。
ローレル・グッドウィンは感謝の言葉と共に、ヨットを買い戻したことを告げますが、エルヴィス・プレスリーの矜持が彼女の善意を拒みます。
エルヴィス・プレスリーは、ローレル・グッドウィンとステラ・スティーヴンスの2人の間を彷徨うことが許される時間が、既に終わろうとしていることを感じ始めます。
この映画は、兵役除隊後のエルビス・プレスリー主演映画の特徴とも言える、海外を舞台にワールド・ミュージックとロック/ポップスがクロスオーバーした楽曲に彩られたアイドル・ミュージカル作品ではないかと考えます。
ステラ・スティーヴンスが歌うジャズ・スタンダード「ザ・ニアネス・オブ・ユー」と「ネバー・レット・ミー・ゴー」、ヒット曲「心の届かぬラブ・レター(Return to Sender)」のボサノバ/チャチャチャ・テイストのアレンジ、ロックンロール、チャイニーズ・オリエンタル(エキゾティカ・サウンド〈※〉)調、ポリネシアン調等、バリエーション豊かな音楽と風光明媚でワイルドなハワイの自然が愉しめる映画だと思います。
あと、本作を観て思うことは、本邦に於ける60年代東宝アイドル・ミュージカルに影響を与えたと思われる構成と展開です。
ヒーローとヒロインの関係に生じた隙間に入り込む金満ライバルの横恋慕と、ヒロインの危機救出を契機とした倖せの収束に至る流れに、加山雄三、星由里子、田中邦衛の姿が自分には重なります。
ワールド・ミュージックの祭典とも言える表題曲「Girls! Girls! Girls!」で華やかなエンディングを迎える本作ですが、ハワイ、バリ、日本、中国、ベトナム、スペイン、アメリカ(ロックンロール/ジルバ)のコスチュームに身を包んだ女性達が次々に登場する大団円は、1950年代にエキゾティカを生んだハワイを舞台とするこの映画を象徴するシーンではないかと考えます。
『ポセイドン・アドベンチャー』(監督:ロバート・ニーム 1972)でアーネスト・ボーグナインの妻を演じたステラ・スティーヴンスの朗らかで粋な佇まいと、本作で銀幕デビューしたローレル・グッドウィンの初々しい演技の挟間で、高音の美声を交えて歌い演技する27歳のエルヴィス・プレスリーのパフォーマンスに浸れるアイドル・ミュージカルとして好きな作品です。
〈※〉1950年代から1960年代にかけて流行した、マーティン・デニー等のハワイ在住のミュージシャンや、日本から海を渡ったナンシー(ミヨシ)梅木に代表される、南国やジャングル、東洋などの異国的雰囲気をテーマにした音楽のジャンル。
§『ガール!ガール!ガール!』
ステラ・スティーヴンス、エルヴィス・プレスリー↑
ローレル・グッドウィン、エルヴィス・プレスリー↑
エルヴィス・プレスリー、ローレル・グッドウィン↑
ローレル・グッドウィン、エルヴィス・プレスリー↑
ステラ・スティーヴンス↑
ステラ・スティーヴンス、エルヴィス・プレスリー↑
エルヴィス・プレスリー↑
ローレル・グッドウィン、ジェレミー・スレート↑
エルヴィス・プレスリー↑
エルヴィス・プレスリー↑
エルヴィス・プレスリー↑
エルヴィス・プレスリー↑
エルヴィス・プレスリー↑
§「追悼ドリー・ファンク・ジュニア」
WWEによると4日(日本時間5日)、WWE殿堂入りレスラーであるドリー・ファンク・ジュニアが85歳で永眠との発表がありました。Creationの’Spinning Toe Hold’で颯爽と登場した、吾が学生時代のアイドル・レスラーであるドリー・ファンク・ジュニアのご冥福をお祈りします。













