新卒で働いた会社が有楽町にあったことから、1986年から暫くは有楽町で若き日々を送っておりました。
マリオンを中心とした日劇、みゆき座、有楽シネマ、スバル座があり、会社の帰りに折に触れ観ておりました。
当時通った店に関して思いつくままに書かせて頂くと、『珈琲時光』(監督:侯 孝賢 2004)に出てくる喫茶店「ももや」とその近くの「HOBSONS」。
スバル座のビル地下にあった、みつ葉入り太麺の「ラーメン中本」、欧風カレーの「マーブル」(※1)、とスターバックスがある場所にあったゲームセンター、そして排骨麺を食べていた万世麺店の隣にあった書店(辞書や四季報を購入しておりました)。
数寄屋橋エリアの「イエナ」と「旭屋書店」、「ハンター」、「HMV」。
マリオン裏の「レバンテ」(現在東京フォーラムに移転)、「ジャーマン・ベーカリー」と「DUCKY DUCK」(現在IITOCiAの2階に移転)。
東宝ツインタワービルにあったとんかつ「とん亭」(入江若菜さんの店だったとのこと)。
ガード下の鉄板焼き店「ゆうかり」(牛薄焼きとサイコロ・ステーキ定食が名物)。
都庁とそごうデパートの間にあった立ち食い蕎麦店「新角」のメンチ・ラーメン。
三井ビル地下の「マハラジャ」等が思い出されます。
夜は昭和の勤め人の常として帝国ホテル近くのガード下の居酒屋「とん太」には週2回のペースで通っておりました。
大学入学で上京したのが1982年であることから、旧日劇のビルを見た記憶は1980年の東京観光の時だけですので、自分にとっての有楽町のランドマークはマリオンでした。
当時、マリオンの地下に大きな酒販店がありましたので、昼休みや会社帰りに世界中の興味深い銘酒を眺めるのが好きでした。
先日、マリオンの日劇が幕を閉じたのは自分にとって感慨深いものがありました。
東宝系ですが、その時代の最大の話題作を日劇の大画面と素晴らしい音響(少し高音が強めでしたが)で観るのは、今思い出しても素晴らしい経験でした(※2)。
先般、東宝の新しい旗艦館が日比谷ミッドタウンに開場したので行き、その素晴らしさに感動しましたが、マリオンの日劇は新入社員時代の自分と数々の名作と共に想い出の映画館として永遠です。
あと、東京宝塚劇場は新旧で通わせて頂いておりますが、旧劇場建て替え期間中に都庁跡地に建設された「TAKARAZUKA1000DAYS劇場」(1998~2000)で主演男役71期生カルテット(花組:愛華れみ、月組:真琴つばさ、雪組:轟悠、星組:稔幸)の舞台を鑑賞したことは、短くも美しい想い出舞台となっております。
(※1)2023年に惜しくも閉店となりましたが、若きマスターが1人で働いていた頃、店のCD棚にシュガー・ベイブの「SONGS」があったことに自分は親近感を抱いておりました。
キャベツ千切り入りのインドカレーが看板でしたが、自分はチキンカレーに100円のハンバーグをトッピングしておりました(←2023年11月3日追記)。
(※2)『スター・ウォーズ Episode 1』(監督:ジョージ・ルーカス 1999)は、その中でも強く印象に残る作品です。
時代劇の様に銃に剣で立向うところや、『ベン・ハー』(監督:ウイリアム・ワイラー 1959)を思わせるポッド・レース、空中・水中都市、怪獣襲撃、女王の影武者、白兵戦、ナタリー・ポートマンのアジア風のメイクと衣装群等、盛り沢山の映像を愉しみました。
PS 今回書かせて頂いたのは今は無くなってしまった(または移転した)店達ですが、今でも健在なビル地下やガード下の数店には時折通っております。
当時若かった店主が皆それなりの齢に達しておりますが、旧友を訪ねる様な感覚で変わらぬ味を愉しませて貰っております。
§『スター・ウォーズ エピソード 1』