2月に銀座ナイフショウがあったが、昨年10月に東京でのナイフショウに行った身としては、そう簡単には行けない。

(金銭的に余裕もないし、サラリーマンの身でもあるので)

そのため、ネット・SNSでナイフショウの紹介などを見ることも多い。

 

ある時、荒川知芳氏のテーブルを紹介する動画が目に留まった。

それがモデル名” TzT ”だった。

鋼材はATS34、刃長89㎜、ハンドル材はメタルコンポジット、フルタングの造りだ。

よく見ると、背の刻みの幅が2㎜、2.5㎜、3㎜と少しずつ違っているという細かさ。

 

実は、このナイフを初めて見たのは2018年の10月、JKGショウだった。

テーブルで握ったときに、やや太いという印象を受けた。

それが引っかかって購入しなかったのだが、デザインや細部は気に入っていたので、ずっと心にあった一本だった。

 

その後、荒川氏が何度か国内外のショウに出品されたようだが、なぜか購入者はいなかったようだ。

それが、2023年2月の銀座ブレードショウにも展示されていた。

しかし、何かが違っていた。

荒川氏にSNSで伺うと、『ハンドルを削って、インプルーブドハンドルのようになった』と。

 

この画像は以前の様子。ハンドル周りの違いがお分かりになるだろうか。

 

引っかかっていたハンドルの太さという問題が解消されたなら、買うしかないだろうということで購入。

届いた” TzT "は、実に魅力的だ。

まずはブレード。

ブレード全体とリカッソ、スパインとそれぞれ輝きが違う。

目の違う仕上げになっていることで、立体感が出ていると思う。

荒川氏のナイフは、ラブレススタイルから士林スタイルまで、さらにオリジナルデザインも面白い。

また、ハンドル材も自作されたりと、本当に楽しんでおられるようだ。

手持ちの士林と並べてみる。

オリジナルデザインのカワセミとも並べてみる。

また、シースの造りも素晴らしい。

揃った縫い目は、しっかりと沈んでいて、摩擦で切れにくくなっている。

ナイフの入口が少し広がっているのが、荒川シースの特徴か。

でも、次は、にこやかな奥様がテーブルにいらっしゃるショウでお会いしたいものだな。

10月に行けるか分からないが、準備だけはしておこう。