ピルビン酸脱水素酵素を活性化するジクロロ酢酸ナトリウムとR体α‐リポ酸 | ブラックジャックの孫 間 黒助 の ガン治療研究ブログ


間 黒助です。




昨日の記事 『 ブドウ糖はガン細胞の生命線 』 で、

※このジクロロ核酸については明日詳しく書こうと思います、

と書きましたので、

本日はジクロロ核酸について書いていきたいと思います。






ガン細胞では、

ピルビン酸から乳酸に代謝する乳酸脱水素酵素の発現が高まっている一方、

ピルビン酸をアセチルCoA に変換する、

ピルビン酸脱水素酵素の活性を低下させることによって、

TCA回路へ行くための経路を遮断しています。


また、

ガン細胞で活性化されている HIF-1 は、

ガン細胞における乳酸脱水素酵素の発現を高め、

さらに、

ピルビン酸脱水素酵素の活性を阻害する、

ピルビン酸脱水素酵素キナーゼの遺伝子発現を促進することが報告されています。


そして、

こうしたガン細胞の特徴を逆手にとれば、

ガン細胞を死滅させることができる可能性があります。


そのための具体的な手順は、

ピルビン酸脱水素酵素を活性化させ、

ピルビン酸からアセチルCoA への返還を促進してTCA回路を回し、

酸化的リン酸化の過程で活性酸素の産生を増やすというものです。


その結果、

酸化ストレスの増大によってガン細胞は死滅する可能性があるのです。


ピルビン酸脱水素酵素を活性化するためには、

ジクロロ酢酸ナトリウム、

あるいはR体α‐リポ酸を利用するという方法があります。


ジクロロ酢酸ナトリウムには、

ピルビン酸脱水素酵素キナーゼを阻害することによって、

ピルビン酸脱水素酵素の活性を高める作用があり、

ミトコンドリアの異常による代謝性疾患、乳酸アシドーシス、

心臓や脳の虚血性疾患の治療などについて、

医薬品として古くから用いられています。


一方、α‐リポ酸は、

多数の酵素の補助因子として欠かせない体内成分です。

特に、

TCA回路のピルビン酸脱水素酵素複合体の補助因子として、

ミトコンドリアでのエネルギー産生に重要な役割を果たしています。


また、

α‐リポ酸には糖代謝の促進や抗酸化作用があるので、

ダイエットやアンチエイジングや美容を目的としたサプリメントとして人気がありますが、

近年、

その抗がん作用が報告され、

ガンの再発予防や治療への利用も注目されています。


尚、α‐リポ酸には、

R体とS体という2種類の光学異性体(鏡像異性体)が存在することが知られていますが、

この光学異性体というのは、

ちょうど右手と左手のようなもので、

R体を鏡に映すとS体になるという関係になっています。


ただし、

このうち体内で生成されるα‐リポ酸はR体のみで、

S体は天然には存在しないのですが、

α‐リポ酸を人工的に合成すると、

R体50%、S体50%の化合物が出来上がるのです。

これをラセミ体と呼びます。


そして実は、

α‐リポ酸の抗ガン作用で、

最も重要なピルビン酸脱水素酵素を活用する働きがあるのはR体のみで、

逆に、

S体のα‐リポ酸は、

ピルビン酸脱水素酵素の活性を阻害してしまいます。


したがって、

ガンの治療にα‐リポ酸を利用するときには、

ラセミ体ではなく、

R体のみのα‐リポ酸を使った製品を摂取することが重要です。


ジクロロ酢酸ナトリウムやR体α‐リポ酸を服用すると、

TCA回路が活性化されますが、

同時にビタミンB1の欠乏は脚気を引き起こすので、

ジクロロ酢酸ナトリウムやR体α‐リポ酸を服用するときは、

ビタミンB1をサプリメントで補充することが重要です。




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※中鎖脂肪を利用した糖質制限食(中鎖脂肪ケトン食)によって、

ガン細胞のブドウ糖の利用を抑え、

同時に嫌気性解糖系やペントース・リン酸経路、低酸素誘導因子‐1(HIF‐1)、

ピルビン酸脱水素酵素などをターゲットにした治療を併用すれば、

抗腫瘍効果を高めることができる可能性があります。






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