【あしげく 足繁く 足蹴く 足蹴に 足蹴りに】〈3〉三日にあげず その2 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【33】
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mixi日記2024年05月30日から。

 下記の続き?
【あしげく 足繁く 足蹴く 足蹴に 足蹴りに】〈3〉三日にあげず
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987676767&owner_id=5019671

 ↑にいただいたコメントへの返信が長くなるので、新たに起こした。
 まず、いただいたコメントを転載する。

===========引用開始
Tさん(伏せる意味があるのか?)
2024年05月30日 10:54

【三日とあけず? 三日にあげず?】朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/special/kotoba/quiz/SDI201505234970.html
《「三日にあげず」が慣用句として多くの辞書に採られていることで、こちらを正解とします》
語源とかを示すことなく「多くの辞書に載ってるからこっちが正解」という清々しい回答。
【ワーズハウスへようこそ】日テレ
https://www.ntv.co.jp/wordshouse/backnumber/110115.html
《「あげず」は、「仕事を今日中に上げる」というときの「終わらせる」という意味の「あげる」の打ち消し》
ここまで書いてくれれば納得もしようものを。
とは言え「あげず」の意味まで解説していたのは、見た限りではこのページだけでした。
ちなみに検索していたら「素人考えだが、お茶の『あがり』やすごろくの『あがり』のように、『(行動の)終わり』という意味かもしれない」みたいなことを書いていた個人ブログのコメントを見かけましたが、だいたい合っていたようです。

Googleが検索結果の件数が出なくなっていたのでYahoo!で検索したら、「"三日にあげず"」が約31100件(何故か4ページ以降は約30300件)、「"三日とあけず"」が約2230件でした。
思ったより少ないですが、「開けず/空けず」も含めたらもっと増えると思います。
===========引用終了

 まず「朝日新聞デジタル」の関して。
 これはヒドい。
 通常、こういう場合に書けるのは「多くの辞書に採られている」までだろう。あるいは、だから「こちらが無難」とか「一般的だろう」ではないだろうか。 そのことを理由に「こちらを正解とします」はなかなか書けない。まあ、理由があげられなくてそうなることもあるけど。
 こういう論理ではどうにもならない慣用句はできるだけ近寄らないに限る。
〈「あげず(上げず、挙げず)」は「間をおかないで」を意味する連語(※)〉なんだろうか。↑の『大辞泉』も「連語」にしていた。
「連語」というからには、何かと何かが連なっているはず。何と何?
「飲まず」とか「食わず」とかも連語なんだろうか。まさか。 
 単に「あげる」の否定形と考えてはいけないのかね(それを「連語」と呼ぶか否かはは文法に詳しい人にまかせる)。
 ただ、そうなると「あげる」の意味が問題になる。
 辞書の全文は末尾に。
 どうもピッタリのものが見当たらない。
 ↑のリンク先に下記のようにある。
===========引用開始
正しくは『三日にあげず』
「三日」は、文字どおりの「三日間」ではなく、
「三日坊主」「三日天下」のように、「すぐ」や「短い時間」のこと。
「あげず」は、「仕事を今日中に上げる」というときの「終わらせる」という意味の「あげる」の打消しで、 「三日にあげず」と言えば、「短い時間で終わらせない」
つまりは「毎日のように行う」という意味。 
===========引用終了
 うーん。一応説明になっているか? 〈「短い時間で終わらせない」つまりは「毎日のように行う」という意味。〉って論理がイマイチわからない。「毎日のように行う」には、毎日「短い時間で終わらせる」ほうがよいのでは。
 代案がないから、これでヨシとしようか。やはり理屈で考えずに、「三日にあげず」で慣用句と考えるのが正解なのだろう。もっと確実なのは、こんな言葉を使わないこと。

 本題と離れてちょっと気になったこと。
===========引用開始
Googleが検索結果の件数が出なくなっていたのでYahoo!で検索したら、「"三日にあげず"」が約31100件(何故か4ページ以降は約30300件)、「"三日とあけず"」が約2230件でした。 
===========引用終了
 やはりこの仕様変更にはみんな困ってるんだね。
 これに関しては、つい先日某所で教えてもらった。
 検索窓の右下の「ツール」をクリックすると、件数が出てくる。
【"三日にあげず"】の検索結果。約 7,790 件 なぜこんなに少ないのかは知らない。
 あれ? 当方が検索すると、Yahoo!の数字もかなり下がる。なんで?
https://www.google.com/search?q=%22%E4%B8%89%E6%97%A5%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%9A%22&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&oq=%22%E4%B8%89%E6%97%A5%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%92%E3%81%9A%22&gs_lcrp=EgZjaHJvbWUyBggAEEUYOTIMCAEQIxgnGIAEGIoFMgcIAhAAGIAEMgcIAxAAGIAEMgcIBBAAGIAEMgcIBRAAGIAEMgcIBhAAGIAEMgoIBxAAGIAEGKIEMgoICBAAGKIEGIkF0gEIMTM1OWowajSoAgCwAgE&sourceid=chrome&ie=UTF-8 

【"三日とあけず"】の検索結果。約 2,090 件
https://www.google.com/search?q=%22%E4%B8%89%E6%97%A5%E3%81%A8%E3%81%82%E3%81%91%E3%81%9A%22&sca_esv=4fabb05b4b801908&rlz=1C5CHFA_enJP933JP935&sxsrf=ADLYWIKhZFQkAJcv7z-viU1vq47GRjiS7g%3A1717072304415&ei=sHFYZt_4GOzl2roPtPiz0Ak&ved=0ahUKEwjfkIjmsLWGAxXsslYBHTT8DJoQ4dUDCBA&uact=5&oq=%22%E4%B8%89%E6%97%A5%E3%81%A8%E3%81%82%E3%81%91%E3%81%9A%22&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiFCLkuInml6XjgajjgYLjgZHjgZoiMgkQABiABBgEGCUyCBAAGIAEGKIEMggQABiABBiiBDIIEAAYgAQYogQyCBAAGIAEGKIESLIHUABYAHAAeAGQAQCYAd8BoAHfAaoBAzItMbgBA8gBAPgBAvgBAZgCAaAC5gGYAwCSBwMyLTGgB4kC&sclient=gws-wiz-serp


https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%8B/#jn-3185
===========引用開始
あ・げる【上げる/揚げる/挙げる】 の解説
[動ガ下一][文]あ・ぐ[ガ下二]
1 そのもの全体または部分の位置を低い所から高い方へ動かす、また、移す。

㋐物の位置を低い所から高い所に移す。「箱を棚に—・げる」「幕を—・げる」「すだれを—・げる」⇔下ろす。

㋑方向を高い方へ移す。「顔を—・げてにらむ」「目を—・げる」

㋒垂れた髪を上の方で結う。「前髪を—・げる」

㋓地上から伸ばしたり飛ばしたりして、空中に浮かべる。「凧 (たこ) を—・げる」「花火を—・げる」

㋔水上や水中から陸上に移す。「船を浜辺に—・げる」⇔下ろす。

㋕高い場所に、形を成すようにつくりおく。「棟を—・げる」

㋖家の中に入れる。「客間に—・げる」

㋗(揚げる)芸者などを宴席に呼ぶ。「芸者を—・げてどんちゃん騒ぎ」

㋘《「アップロード」から》インターネットなどで、通信回線を介してデータをホストコンピューターに送信する。「サーバーに圧縮ファイルを—・げる」

2 所有者や高位の者の手元に収める。

㋐好ましい結果を得る。「収益を—・げる」

㋑(挙げる)検挙する。「犯人を—・げる」

3 上の段階や等級へ進ませる。「息子を大学に—・げる」

4 程度を高める。

㋐他と比較して高い状態になる。「右肩を—・げる」「潮が—・げてくる」

㋑今までより高い状態にする。「地位を—・げる」「家賃を—・げる」⇔下げる。

㋒褒める。「—・げたり下げたり」⇔下げる。

㋓いちだんと望ましい状態にする。「男ぶりを—・げる」「腕を—・げる」⇔下げる。

㋔勢いをつける。盛んにする。「気勢を—・げる」「調子を—・げる」

㋕声を高く発する。「悲鳴を—・げる」



㋐《頭に血を上げる意から》のぼせて夢中になる。「血道を—・げる」

㋑吐く。戻す。「酒を飲みすぎて—・げる」

6 物事を終わりにする。

㋐仕上げる。完成する。「仕事を—・げる」

㋑その範囲内でまかなう。「会費を安く—・げる」

㋒(挙げる)力などを出し尽くす。「全力を—・げる」「町を—・げて応援する」

㋓(挙げる)子を得る。「男子を—・げる」

7 人の目についたり、広く知られるようにする。

㋐(上げる・揚げる)掲げる。「国旗を—・げる」

㋑有名にする。「名を—・げる」

㋒(挙げる)事を起こす。「兵を—・げる」

㋓(挙げる)執り行う。「結婚式を—・げる」

㋔(挙げる)表し示す。「例を—・げる」「証拠を—・げる」

㋕効果や実績を現す。「成果を—・げた」

㋖(挙げる)推挙する。「候補者を—・げる」

8 (揚げる)揚げ物を作る。「てんぷらを—・げる」

9 神仏や敬うべき人などに、ある行為がなされる。

㋐神仏に供える。「供物を—・げる」⇔下げる。

㋑「与える」「やる」を、その相手を敬っていう語。「洋服を—・げる」

10 地方から都に行く。上京する。

「京にとく—・げ給ひて」〈更級〉

11 戸や格子を上部に開きあける。

「格子なども—・げながら冬の夜を居明かして」〈枕・一七九〉

12 勢いよく馬をはねあがらせる。

「中道口を外 (はづ) させて—・げけり」〈著聞集・一〇〉

13 動詞の連用形のあとに付いて複合語をつくる。

㋐その動作が終わる意を表す。「仕事を早くし—・げる」「一日で織り—・げる」

㋑十分に、しっかり、などの意を添える。「丁稚 (でっち) からたたき—・げる」「調べ—・げる」

㋒他に分かるようにはっきりと言葉で示す。「共同宣言としてうたい—・げる」

㋓(「申す」「存ずる」などに付いて)へりくだった意味を表す。「お願い申し—・げます」「右のように存じ—・げております」

14 (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」が付いた形に付いて、主体が動詞の表す行為を他者に対し恩恵として行う意を表す。「てやる」の丁寧な言い方。「仕事を手伝って—・げる」「君のかわりに行って—・げよう」

[補説]9㋑は本来、敬うべき対象に物をさし上げるの意で、「犬にえさをあげる」のような言い方はしなかった。現在では「与える・やる」の美化語として使う人が増えている。
 
出典:デジタル大辞泉(小学館)
===========引用終了

 

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