ドはドツボのド goo 辞書 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【33】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1986890608&owner_id=5019671

mixi日記2024年05月09日から。

 下記の仲間。
609)【「チョー」「超」「ド」「激」 】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2192.html

 軽く触れたことは何度かありそうだが、ちゃんと書いていなかったらしい。
「ド」について考えてみたい。いろいろな話が入ってくるので長くなりそ。
 
●「超弩級」は死語っぽいかも
 最近「超弩級」はあまり見ない気がする。
 最大の原因は、例によって「弩」が常用漢字にないこと。もしかすると、「超」があまりにも使い古されたせいで、忌避されている影響もあるのかも。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/kanji/%E5%BC%A9/#jn-154708
===========引用開始
ど【×弩】
[音]ド(漢) [訓]いしゆみ
1 機械じかけで石や矢を発射する強力な弓。石弓。大弓。「強弩」
2 1906年にイギリスが建造した強力戦艦ドレッドノートの「ド」の音訳。「弩級艦/超弩級」 
===========引用終了
「超ド級」なんて表記も見たことがあるけど、ほとんどギャグだろう。

https://www.weblio.jp/content/%E8%B6%85%E3%81%A9%E7%B4%9A
===========引用開始
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実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
超ど級
読み方:ちょうどきゅう
別表記:超弩級、超ド級

桁外れに規模が大きいさま、規格外の大きさであるさまを指す言い方。元々は戦艦の規模が英国戦艦「ドレッドノート」を超える規模であるという意味で用いられた言い方。

超ど級の「ど」は、「どアホ」や「ど真ん中」という風に強調の意味で用いられる「ど」との直接的な関連は見出しがたい。
(2017年5月18日更新) 
===========引用終了
 ふむ。出典は「実用日本語表現辞典 」だけど、記述はまとも。
 それはかえって罪深い気がする。

●そもそも接頭語の「ど」の意味は
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%A9/#jn-154704
===========引用開始
ど の解説
[接頭]名詞や形容詞に付く。
1 まさにそれに相当するものであることを強調する。「—真ん中」「—ぎつい」
2 ののしり卑しめる意をより強く表す。「—けち」「—下手」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
===========引用終了
 接頭語の「ど」は、ふたつの意味がある。
 ここまでを踏まえたうえでテーマサイトを見る。

【「ドツボでした」っていつからいい意味になったんですか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13809271.html
===========引用開始
質問者:ピクセル7質問日時:2024/05/09 18:25回答数:6件
「ドツボにはまる」って悪い意味だと思ってたのですが、いつからいい意味になったんですか?

https://trilltrill.jp/articles/3541912 
===========引用終了

 ただしリンク先では「ドツボにはまる」とは書いていない。
【「ドツボでした」「こりゃリピだな」【ほっかほっか亭】“新作弁当”がウマすぎるぞっ…。】
https://trilltrill.jp/articles/3541912
===========引用開始
SNSの口コミでも「ドツボでした」「こりゃリピだな」など、絶賛の声が多くありましたよ。 
===========引用終了
「ドツボ」の場合はふたつの意味のどちらか。
 おそらくどちらでもない。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%A9%E3%81%A4%E3%81%BC/#jn-159519
===========引用開始
ど‐つぼ の解説
(「どつぼにはまる」の形で)ひどい状態になること、最低の状態であることを表す。

[補説]「土壺」「ど壺」などとも書く。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
===========引用終了
 基本的には「ドツボにはまる」の形で使う。省略して「あの時期はドツボだった(ドツボにはまっていた)」ともいえるかも。
 これをいい意味で「ドツボでした」は、現段階では誤用だろう。
「ドツボ」って話だと記憶に残るやり取りがある。
378)「~してもらっていいですか」【1】 &【2】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12030250248.html
 ユニークなコメントを下さった方がいる。
 趣旨は理解できるが、なぜこういうコメントを他者に押し付けてくるのかはとうてい理解できない。
 たまーにこういう方がいるけどちゃんとしたやり取りになることはめったにないから、それなりのゾンザイな対応しかしない。だからなおさら「ちゃんとしたやり取り」にはならない(泣)。

●「—真ん中」「—ぎつい」のバリエ。(←オイ!)
 その一方で、辞書の〈1 まさにそれに相当するものであることを強調する。「—真ん中」「—ぎつい」〉のバリエーションと思われるものはいろいろ見る。
「ド直球な質問」とか「ドストライク」とか「ド急所」とか。 
「ドストライク」は正確に言えば「ドストライクゾーン」なのかな? とにかく、「好みにぴったり」ぐらいの意味。

 ここで考えるべきは「ツボ」の意味。
 辞書の全文は末尾に。
 日常会話で使うのは、〈7 灸 (きゅう) や鍼 (はり) の治療で効果のある、人体の定まった位置。〉で、そこから派生した〈5 物事の大事なところ。急所。要所。「—を押さえる」「—をはずした質問」〉じゃないかな。
 ここに近年?用例が急増したのが、「笑いのツボ」ような使用例。「笑いのポイント」ぐらいの意味なんだけど、これがまたバリエが豊富。こちらはまだ俗語レベルと思われるが……。
「ツボに入る」「ツボをつかれる」などのほか、「ツボる」という動詞形も(美しくないけど)目にする。
 この意味で考えると、「ドツボ」が「ド急所」「ドストライク」といって意味で使われるのは、一応筋が通っている。
 でも、すでに「ドツボにはまる」という否定的な意味の言葉があるのに、「ドツボだ」「ドツボに入る」「ドツボをつかれる」……etc. を肯定的な意味で使うのは誤解のもとだろう。こんなのも定着するんだろうか。


https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%A4%E3%81%BC/#jn-148023
===========引用開始
つぼ【×壺】 の解説
《古くは「つほ」》

1 胴がふくらみ、口が狭くなった形の容器。陶製・木製・ガラス製などがある。
2 ばくちで、采 (さい) を入れて伏せる器。壺皿。「—を振る」
3 深くくぼんでいるところ。「滝—」「鞍 (くら) —」
4 矢を射るときにねらう所。矢壺。
5 物事の大事なところ。急所。要所。「—を押さえる」「—をはずした質問」
6 ここと見込んだところ。「それでは相手の思う—だ」
7 灸 (きゅう) や鍼 (はり) の治療で効果のある、人体の定まった位置。
8 三味線・琴などの弦楽器の勘所。 
===========引用終了

 

 

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