日本語アレコレの索引(日々増殖中)【33】
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mixi日記2024年03月04日から。
下記の続き。
【インストールを完了させる〈1〉】
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『スッキリ文章術』(時田昌)(以下「本書」と書く)を読み終えた。
サブタイトル?は「文法のおさらいでお悩み解消!」。技術論に徹した文章読本、ってことでいいだろうか。個人的には、こういう考え方が正解だと思う。
文章読本の教えは、「技術論」と「精神論」に大別できる気がする。役に立つのは、技術論の類い。精神論の類いが役に立つことはめったにない。「ためになる」教えは多いけれど、それを役に立てるのはけっこうたいへん。諸説あることも多いし。精神論を並べる文章読本より技術論に徹した文章読本のほうが、得るものがはるかに多い。
本多読本のことを考えるとわかりやすいだろう。修飾の順番と読点の打ち方に関しては間違いなく名著。類似の記述をしている文章読本は多い(本書も同様のことを書いている)。だが、精神論に近いほかの部分は数段落ちる。文法に関する記述も多いが、どこまで有効なのかは不明。
本書の内容をおおざっぱにまとめると、文法と敬語と言葉づかい。敬語に関しては、菊地読本を読んだあとだと、なんと申しましょうか。
初心者向けの文章読本としてはオススメ。初心者に助詞の使い分けの話がどこまで通じるのかはナゾだけど。
細かい感想文は後日に回すとして、非常に興味深い記述があった。
へたに要約すると誤解のもとなので、丸々引用する。
===========引用開始
49 「する」と「させる」を使い分ける(p212~)
物事を行う、行動を進めるなどの意を表すサ変の自動詞「する」と、使役と命令の他動詞「させる」の使い分けに悩むことはありませんか?
どういうふうに使い分けたらいいのか、見ていきましょう。
A サービス精神が社員に徹底する。
B サービス精神を社員に徹底させる。
「徹底」という言葉には、「隅々まで行き届くこと」という意味があります。
「サービス精神」の重要性が社員の隅々まで伝わっているのか、企業経営者は不安に思っているのかもしれません。
もっと行き渡らせたいのであれば、Bの表現がいいでしょう。他動詞「させる」によって、他者を(この場合は社員を)その状態に持っていこうという意図が明確になります。
一方Aは、自動詞の「する」が付いているので、すでに社員に十分に浸透した状態を表してはいます。ただ、もう少しはっきりと示すなら、次のようにするといいでしょう。
■改善例
A サービス精神が社員に徹底している。
B サービス精神は社員に徹底している。
■例1
彼女は、育児と仕事を両立してきた。
「両立」には、「二つのことが同時に並び立つ」という意味があります。「育児」と「仕事」の二つの目的を同時に成立させる書き方をするには、どうしたらいいでしょう?
■例1改善例
彼女は、育児と仕事を両立させてきた。
目的語を取る他動詞「させる」の出番です。
「○○と××を~させる」というふうに、格助詞「を」を伴って目的語を述語部分に導くと、すんなり読めるようになります。
さて、自動詞的用法の「する」と他動詞的用法の「させる」を簡単に使い分けるには、「○○が(は)~する」という形と「○○を(に)~させる」という形がある、と覚えるのがいいかもしれません。
以下の例文でA~Dは、「が(は)」か「を(に)」のどちらかを( )内に、E~Hは、「する」か「させる」のどちらかを[ ]内に、おれぞれ入れてみてください。
A 子ども( )学校で勉強する。
B 子ども( )学校で勉強させる。
C 海で子ども( )水遊びさせる。
D 海で子ども( )水遊びする。
E 職員のモラルが向上[ ]。
F 職員のモラルを向上[ ]。
G 建物と自然を調和[ ]。
H 建物と自然が調和[ ]。
■解答 Aが(は) Bを(に) Cを(に) Dが(は)
Eする Fさせる Gさせる Hする
===========引用終了
これはこれで説得力があるので困ってしまう。
当方が考えていたこととは方向性がかなり違う気がしてグチャグチャになりそ。当方は、下記が両方とも同じ意味になるのはなぜ、と考えた。
無事に工事を完了した
無事に工事を完了させた
「する」と「させる」はある意味「逆」の言葉のはずなのに、どちらも成り立ってほぼ同じ意味、というのがナゾだった。一応納得できて、下記のようなことも書いた。
【インストールを完了させる〈1〉】
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===========引用開始
●自他両用の動詞に限る?
1)インストールが完了した(自動詞用法)
2)インストールを完了した(他動詞用法)
3)インストールを完了させた(自動詞用法の使役形)
2)と3)の両方同じ意味になるのは、自他両用の動詞に限るはず。
===========引用終了」
本書では〈サ変の自動詞「する」と、使役と命令の他動詞「させる」〉と考えている。この考え方がアリなら、その前の動詞(完了する)の自他など関係なくなる。
インストール{が/は}完了した
インストールを完了させた
が正解で、「インストールを完了した」は間違いということになる。そうなの?
ちなみに、自他の判定を手元の電子辞書で確認しておく。
完了 徹底 両立 再開
明鏡 自他 自他 自 自他
新明解 自他 他 自 自他
たぶん「完了(する)」には自他の両方がある。だとすると、「インストールを完了した」(他動詞用法)は間違いではないはず。
これが「両立(する)」になると話が別になる。
↑の辞書を信じるなら、「両立(する)」には他動詞がないので、
育児と仕事が両立する。(自動詞用法)
育児と仕事を両立する。×(他動詞用法はナシ)
育児と仕事を両立させる。(自動詞用法の使役形)
「育児と仕事を両立する」は間違いってことになる。そうなの?
たしかに「育児と仕事を両立させる」のほうが素直な気がするけど、「育児と仕事を両立する」が間違いとは思えないんだよなぁ。
語感で判断するならさほど異和感はないが、論理的に考えると、当方の考え方でも本書の考え方でも間違いになる。
さらに話をややこしくする。
↑に「再開」を加えたのは、下記の話があるから。
【「営業が再開しました」】
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基本的に、oji********さんが書いているとおりだろう。
===========引用開始
oji********さん
カテゴリマスター
2018/9/7 17:10
「再開する」は、自動詞/他動詞が同形です。従って、「営業を再開する」「営業が再開する」どちらも正しい日本語です。
なお、辞書にもその旨がちゃんと書かれています。
「再開(スル)」<大辞泉>
いったん閉じていたもの、中断していたものを、再び開いたり、始めたりすること。また、再び始まること。
再び開いたり、始めたりすること・・・他動詞
再び始まること・・・自動詞
===========引用終了
===========引用開始
oji********さん
2018/9/7 18:55
asu********さん、自説を披瀝するのはあなたのご勝手ですが、このように↓他者の回答を批判することは利用規則「禁止事項1:誹謗(ひぼう)中傷など他人を攻撃したり、傷つける内容の投稿」に該当する恐れがありますからお止めください。
【これらを動詞の自他と結びつけて論じるのは、問題を取り違えた短絡的発想です】
===========引用終了
===========引用開始
oji********さん
2018/9/8 16:21
「営業が再開する」は、格助詞が「が」により、本来は営業が動作主体となる表現です。事実は、スーパーまたはスーパーの店主で、営業は動作主体ではありません。」
asu********さん、あなたの論法だと無生物は主語に成りえないことになってしまいますよ(笑)
===========引用終了
信頼できる回答者(oji********さん)と本質坊主が対立している。SF文法は論外なのでは。
気が済まないらしく本質坊主が●●トピまで立てているが、真剣に読むば読むほど●●になるだけ。「短絡的使用」は、言いたいことはわからなくはないが、あの書き方では伝わらないよな。
【格助詞「が」の短絡的使用について。】
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スーパーの営業が再開する。(自動詞用法)
スーパー{が/の}営業を再開する。(他動詞用法)
スーパー{が/の}営業を再開させる。(自動詞用法の使役形)
どれもおかしくない。
これを本書の考え方をするなら、
スーパーの営業が再開する。(自動詞用法)
スーパー{が/の}営業を再開させる。(他動詞用法)
が通常で、
スーパー{が/の}営業を再開する。(他動詞用法)
は不可になるのだろう。
さて、どこがおかしいんだ?
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