AIの作文力──アッという間に人を超えるかも | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【32】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985421928&owner_id=5019671

mixi日記2024年01月18日から。

 下記のニュースを読んだときは驚いた。全文は末尾に。
【芥川賞作「ChatGPTなど駆使」「5%は生成AIの文章そのまま」 九段理江さん「東京都同情塔」】
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2401/18/news090.html

 これは記事の書き方が悪い。
 あたかもAIに小説を書かせたように読める。
 現段階(あくまでも「現段階」)では、AIにはそこまでの文章力はないし、著作権の問題も出てくるはず。
 実際には、AIとのやり取りを作品中に「引用」のように組み込んでいるらしい。
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1747698970032501008
===========引用開始
荒木優太
@arishima_takeo
なぜかチャットGPTを駆使した小説で有名になりつつある九段理江『東京都同情塔』だが、文章作成AIが出力する文章を批評するために用いられているのであって、別に作者が文章書けないので頼ってるってわけじゃないっすよ。 
===========引用終了

 一種の実験小説ですね。
 ただ、AIの文章をそのまま作品中で使ったら著作権がどうなるのかは知らない。「○○とのやり取りをそのまま引用している」と断われば、「引用」なのだろうか。
 清水義範のようにAIのパスティーシュ(文体模倣)するのはかなりの力業だろう。
 当方が実験した結果では、AIの作文力はまだかなり低い。「それはプロンプト(指示?)が悪いから」と言われたら素直に謝る。無料版でなく有料版を使いなさい、と言われたら「もうちょっと待ってね」と言う。
【ChatGPT 君と遊ぼ〈26〉作文・焼鳥屋の楽しみ方について】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12821073438.html 

 知り合いの翻訳家が各種AIを使い込んでいる。
 彼の主張を要約する。本当はもっとずっと奥が深くて説得力がある。
──AIに和訳させるのは限界がある。考え方が違う。彼は元々外国人なんだから、稚拙な日本語にしかならないのは仕方がない。AIが本領を発揮するのは、英訳。ただし英訳の精度を上げるにはそれなりのノウハウがある。まず、英文にしやすい日本語を用意することが必要。その上で適確なプロンプトを与え、さらにAIが書いた英文に適切な修正を指示すれば、ネイティブ並みの英文を作ることができる。
 
 このほか、ChatGPTを使ったアイデア出しだとか、問題集づくりみたいな話はいろいろ聞く。
 とはいえ、現段階(あくまでも「現段階」)では〈元々外国人なんだから、稚拙な日本語にしかならない〉が妥当だと思う。もちろん日本人以上に日本語が堪能な人もいるけどさ。
 ただ、ここで思い浮かべるのは将棋のAIのこと。まだまだ……とタカをくくっていたら、アッという間にプロ棋士が抜き去られた。段階的に進化した、というより、ある段階から急速に進化した印象がある。
 文章力に関しても、ある段階近くまで来ている気がする。そうなると……。
 AIには個性的な文章が書けない、という見方もどうなんだろう。「うんと○○な……」というプロンプトを与えれば、簡単にクリアするのでは……。
 あと何年先の話だろうね。前にも書いたけど、マンガのほうが先のような。
【ChatGPT goo 「象は鼻が長い」の主語は】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12793372889.html

 
【芥川賞作「ChatGPTなど駆使」「5%は生成AIの文章そのまま」 九段理江さん「東京都同情塔」】
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2401/18/news090.html
===========引用開始
(キャプ)
「東京都同情塔」にはテキスト生成AI「AI-built」が登場する(本文19ページより)

 第170回芥川賞の受賞作「東京都同情塔」は、ChatGPTなど生成AIを駆使して書いた――著者である九段理江さん(33)が1月17日、受賞会見でこう話した。

 「東京都同情塔」は、犯罪者が快適に生活できる高層タワーが建設されるなど、寛容な社会になった未来の日本を舞台に、生成AIが浸透した社会のあり方も描いた作品。

 九段さんは受賞会見で、AI時代に小説を書くことについての考えを問われ「今回の小説は、ChatGPTのような文章生成AIを駆使して書いた」「全体5%ぐらいは生成AIの文章をそのまま使っているところがある」と話し、「これからもうまく利用しながら、自分の創造性を発揮できるよううまくつきあっていきたい」と述べた。

 九段さんは1990年生まれ。2021年、「悪い音楽」で第126回文学界新人賞を受賞し、デビューした。23年発表の「しをかくうま」で野間文芸新人賞を受賞している。
===========引用終了

第170回「芥川賞・直木賞」 「芥川賞」は九段理江氏の『東京都同情塔』 吉田修一氏「「完成度が高い作品」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=7714804

 

 

#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語

#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語 


語学(日本語) ブログランキングへ