「けっこうです」「大丈夫です」 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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日本語アレコレの索引(日々増殖中)【32】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985421928&owner_id=5019671

mixi日記2023年12月13日から。

 テーマサイトは下記。
【「結構です」や「大丈夫です」はどうして反対の意味を持ち合わせているのですか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13681608.html
===========引用開始
質問者:naois_16質問日時:2023/12/15 10:54回答数:9件
相手にお断りする時に使う「結構です」「大丈夫です」ですが、
使い方によっては誉め言葉となったり、相手を気遣う言葉となります。
これは日本人じゃないと分からない感覚のようにも感じられ、
どうしてこんな絶妙な言葉遣いが生まれたのかしらと思っています。
どうして反対の意味を持つ言葉が同じ単語であらわされているのでしょうか。
===========引用終了

 そうか。そういうふうに考えるのがフツーですね。
「けっこうです」と「大丈夫です」は、別々に考えるほうがよい気がします。
 ちゃんと書こうとすると長くなります。
 詳しくは下記をご参照ください。

「どうしてこんな絶妙な言葉遣いが……」と訊かれても答えようがりありません。
 どうしてなんでしょ。使い方を気をつけないと、誤解されてしまうかも。

●「けっこうです」
 これは辞書をひくと解決する。全文は末尾に。
 お断わりに使う「けっこうです」は〈3 それ以上必要としないさま。「もう—です」〉だろう。これはかなり古くから使われているはず。
 褒め言葉の「けっこうです」は〈1 すぐれていて欠点がないさま。「—な眺め」「—なお点前 (てまえ) 」「—な御身分」〉。現代ではあまり使われないような。〈「—な御身分」〉はもっぱらイヤミじゃないかな。

●「大丈夫です」
 これは比較的新しい用法がいろいろあって。
 下記に書いたものが短くまとまっているかな。
【「大丈夫」、知ってますか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13610519.html
 お断わりに使う「大丈夫です」は〈3)「不要の大丈夫」〉だろう。相手を気遣う言葉は〈1)「いたわりの大丈夫」(本来の意味に近い)〉だろう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用開始
No.7

回答者: 1311tobi 回答日時:2023/09/30 18:02
「山梨県の方言」は初めて聞いた気がして驚きましたが、調べてみるとずいぶん前(2010年?)に引用したサイトに同様の記述がありました。
 ただし、「日本国語大辞典」の精選版にはその記述が見当たらないので、精選版でないほうの記述なのでしょう。質問者はどこで見たのでしょう。
 調べてみると、下記の記述が見つかりました。
【「大丈夫です」って、なにが大丈夫なの 気配り表現?言葉の乱れ?】
https://withnews.jp/article/f0150215000qq000000000000000W01o1101qq000011475A
===========引用開始
 今どきの語法として「大丈夫」に触れているのは、「明鏡国語辞典」(大修館書店)です。俗語として「相手の勧誘などを遠回しに拒否する語」との説明も載せ、「そんな気遣いはなくても問題はないの意から、主に若者が使う」と注釈しています。ただし、「本来は不適切」とされています。

 これに近い意味に触れているのが「日本国語大辞典」(小学館)です。山梨県の方言として、食べ物などを勧められ、辞退する時の言葉という説明を載せています。 
===========引用終了

 ただ、ほかの辞書には「山梨県の方言」とは書かれていないようですし、山梨県の方言のサイトにも見当たりません。
 ということで、「山梨県の方言」か否かは不明です。

 個人的には、「山梨県の方言」とは別に広まった気がします。
「大丈夫」という言葉は、現代では広い意味で使われます。
 ↑の【「大丈夫ですか」考 日本語〈1〉~〈3〉】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12365585116.html
 から引用します。
1)「いたわりの大丈夫」(本来の意味に近い)
2)「確認の大丈夫」(本来の意味に近い)
3)「不要の大丈夫」
4)「可能・承諾の大丈夫」
 このうち若い層で使用例が目立つのが、質問者があげている3)「不要の大丈夫」でしょう。
===========引用開始
 当方が「1」でリンクを張った下記のコミュでは、別の使い方が出ている。
【日頃おかしいと思う日本語の使われ方】(「447」~と「886」~)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=697073

「447」に出てくるのは下記の例。
店員「トッピングのメニューがありますが、いかがですか?」
客「大丈夫です」→1)

店員「(スタンプカードを)作りますか?」
客「大丈夫です」→2)

「886」に出てくるのは下記の例。
店員「袋に入れますか?」
客「大丈夫です」→3)

 1)~3)はいずれも「いりません」の意味だろう。最近増えているのはこの用例だろう。トピでいろいろ意見が飛び交っている。「いります」の意味にとるのはちょっと無理があるだろう。
 これを「不要の大丈夫」と呼ぶことにする。  
===========引用終了

 もう10年以上前から使われているので、どうにもならないでしょう。
 こういうよくわからない用例を野放しにしていたので、笑い話のような例も出てきました。
「ボクと付き合ってください」
「大丈夫です」
 こうなると言葉だけだとYESかNOかわかりません(笑)。
 詳しくは↑をご覧ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用終了


https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%91%E3%81%A3%E3%81%93%E3%81%86/#jn-68255
===========引用開始
けっ‐こう【結構】 の解説
[名](スル)
1 全体の構造や組み立てを考えること。また、その構造や組み立て。構成。「布置—」

「法則を設けて物語を—するは」〈逍遥・小説神髄〉

2 もくろみ。計画。

「基房亡 (ほろぼ) すべき—にて候ふなり」〈平家・三〉

3 したく。用意。

「お斎 (とき) を下されうずると有る程に、畏ったと云ひて参れば、中々—を取り調へて」〈虎明狂・宗論〉

4 ⇒トラス

[形動][文][ナリ]
1 すぐれていて欠点がないさま。「—な眺め」「—なお点前 (てまえ) 」「—な御身分」

2 それでよいさま。満足なさま。「お値段はいくらでも—です」「サインで—です」

3 それ以上必要としないさま。「もう—です」

4 気だてがよいさま。

「一つ汲んで下されと、下々にも—に詞 (ことば) 遣ひて」〈浮・禁短気・二〉

[副]完全ではないが、それなりに十分であるさま。「子供でも—役に立つ」「—おもしろい」
[アクセント]はケッコー、はケッコー。
 
出典:デジタル大辞泉(小学館)
===========引用終了

 

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