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mixi日記2023年05月27日から

 テーマサイトは下記。
【程度を表す「まで」と「ほど」との違いはなんでしょうか 例えば: 問題:大雪の時は、雪が降り積もって、】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13473852.html
===========引用開始
質問者:Dreamscatcher質問日時:2023/05/22 17:25回答数:7件
程度を表す「まで」と「ほど」との違いはなんでしょうか
例えば:
問題:大雪の時は、雪が降り積もって、二階から出入りしなければならない_____です。
下線部のところに、まで?ほど?どっちを入れたらいいでしょうか

【補足】
以下の文法書「日本語記述文法研究会編集」によると、「まで」と「ほど」は置き換えられるそうです、ちょっと迷っていますね
===========引用開始
4.2 程度を表す「まで」
「まで」には程度を表す形式名詞としての用法がある。「神々しい」「異様だ」
といった通常とは異なる様子を表す形容詞について、程度のはなはだしさを表す。
 ・ この山頂から見る日の出は本当に美しく、神々しい【まで】だ。
 ・ その子の目が異様な【まで】に輝いて見えた。
 この場合の「まで」は「ほど」「くらい」と置き換えられる。
===========引用終了

 大前提として、「ほど」と「まで」を比較する意味があるのだろうか。
 よく目にするのは「ほど」と「くらい」の違い。これはこれでかなりビミョーで迷路に入る。
【【「ほど」 「ぐらい」 「くらい」】〈1〉~〈5〉+〈6〉】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12492900547.html

【ほど まで 違い】などで検索するといくつかのサイトがひっかかるが、どれもイマイチの気がする。
 もっと疑問なのは「日本語記述文法研究会」。ネット検索すると、まともな組織に見えるけど、この記述は疑問が残る。
〈通常とは異なる様子を表す形容詞について、程度のはなはだしさを表〉わし、その場合は〈「まで」は「ほど」「くらい」と置き換えられる〉。
 そんなことがいえるのだろうか。
 通常はNo.3のかたのコメントぐらいでいいと思う。
===========引用開始
No.3

回答者: 真魚 回答日時:2023/05/22 18:00
「ほど(程)」は数量などの「程度」を表します。
「まで(迄)」は数量などの「到達範囲」を表します。

2階から出入りしなければならない「ほど(深く)」雪が積もっている

2階の「(高さ)まで」雪が積もっている
===========引用終了

「まで」が「程度」を表わす用法もあるが、制約がある。こういう制約の大きい表現を日本語学習者に教える必要があるのだろうか。
 手元の電子辞書を見ると、『明鏡』が適確。
===========引用開始
【二】〘副助〙 
❶ 極端なものを例示して、他はましてと暗示する。
「君まで僕を疑うのか」
「親にまで見かぎられるとは」
「こんな苦労をしてまでも生きねばならないのか」
表現「までも」と言って、意味を強める。
❷ 程度を表す。
㋐ 《こそあど言葉に付いて》程度がはなはだしいさまを表す。
「ここまで落ちぶれたか」「どこまで執念深いんだ」「そんなことまでしたくない」「あれほどまでして頑張ったのに…」
㋑ 《「…(ほど)までに」の形で、動詞連体形を受けて》それが起こり得るような(程度の高い)段階であることを表す。…くらいに。
「親を助けるまでに成長した」「死ぬほどまでに苦しんだ」
===========引用終了
 ↑の文法書が相当言葉足らずなことがわかる。
 文法書に例文が2つあげられている。
1)この山頂から見る日の出は本当に美しく、神々しい【まで】だ。
2)その子の目が異様な【まで】に輝いて見えた。
 1)はどうなんだろう。「神々しいまでに輝いていた」とかにしないと相当不自然。
 そうすれば『明鏡』にある 《「…(ほど)までに」の形で、動詞連体形を受けて》になる。ただし『明鏡』も言葉足らずで、「動詞連体形」だけではなく↑の例文のとおり「形容(動)詞」もOKだろう(ほかにもありそう)。

 元の例文に戻ると……。
大雪の時は、雪が降り積もって、二階から出入りしなければならない(  )です。
 だと、↑の制約をクリアしていないから「まで」は不自然。仮に次の形に変形する。

大雪の時は、二階から出入りしなければならない(  )に降り積もります。
 ちょっと文がぎこちないけど、これなら「ほど」「まで」「くらい」、いずれもOKだろう。

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※やはり「うれしいです」は美しくない。
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12282289501.html
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