下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【17】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1950899196&owner_id=5019671
mixi日記2016年04月20日から
【助詞に関する話】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-3159.html
助詞の話になんて深入りしてはいけない……とは思いつつ気の迷いで(笑)。
「ハ」について書いてみたい。
まず大前提として「ガ」とは極力絡めないようにする。その路線を進むと、その先には泥沼しかない。
33)【チャレンジ日記──「は」と「が」 毒抜き編 〈1〉~〈7〉】(2009年04月25日~)
http://
助詞の「ハ」は主語を表わす……みたいなことを考える人は多いはず。ちょっと文法に詳しい人だと、「主語」ではなく「主題」を表わす、などと言う。まぁどちらも正しいって気がする。
「ハ」の働きを正確に書こうとすると、論文になる。ネットで読める資料だと、下記の評判がいい。
【日本語動詞文型用例辞典 5.「は」について 】
http://
ただ、これもむずかしいと言えばかなりむずかしい。そうなると、おすすめできるのは『日本語練習帳』の記述。「ハ」の働きを4つに絞っている。
==============引用開始
1)問題(topic)の下に答えを持ってくるよう予約する
2)対比
3)限度
4)再問題化
==============引用終了
具体的な解説にはいろいろ問題も感じるが、この分類はさすがによくできている。
余談になるが、以前見せてもらったある勉強会のレジュメがこれとほぼ同じだった。パクリと決めつける気はないが、そう言われてもしかたがない。仮に偶然の一致だとしたら、単なる勉強不足だろう。まぁ、それだけよくできたまとめ、ってことにしておく。
できるだけ簡単に解説する。
1)問題(topic)の下に答えを持ってくるよう予約する
これが一般的に考えられている「ハ」だろう。「主題」を表わす、のほうが一般的だろうか。
「太郎ハお菓子を食べた」の場合は、「ハ」は「主題」を表わすとも「主語」を表わすとも言える。
たいていの場合はそれでよいのだが、「主語」とは言いにくいものもある。「お菓子ハおいしい」や「お菓子ハ好き」の「お菓子」を主語と言えるだろうか。「きょうハ雨が降っている」の「きょう」は「主語」とは言えそうにない。
たいていの「ハ」は「主題」を表わす……そこまではいい。
ところがそれでは説明できないものがいろいろある。
2)対比……犬ハ好きだが猫ハ嫌い
比較対象の両方を出さなくてもいい場合も多い。猫の話をしているときに「犬ハ好きなんだけど……」と言えば、暗に「猫ハ苦手」という意味になる。
3)限度……カレーなら3杯ハ食べられる
「限度」ではなく「強調」と考える人もいる。まあかのベストセラーに敬意を払って、「限度」にしておこうか。「3杯ハ食べられる」では「限度」ではないとも言える? じゃあ「さすがに5杯ハ食べられない」にしようか。これなら「限度」だろう。
4)再問題化……一応4つに分類できるとハ書いたけど
これがイチバン微妙かも。「再問題化」という呼称が適切か否かは……まあかのベストセラーに敬意を払っておこう。「注釈」でも「留保」でもいいけど、要は「○○とハしたけど……」みたいな用法。3)か2)に含めてもいけど、一応これが4)。
これで、だいたいの「ハ」は説明できなくハない(こういう用法だと、「再問題化」なのか「限度」なのか。たぶん、「再問題化」だろう)。
あとは細かいのを拾っておく。
【助詞の話7「ハ」の特殊用法──男は度胸、女は愛嬌 春は、あけぼの 東京は浅草にやってまいりました 】
http://
http://
あとひとつ加えておきたいのは、「既出のハ」。
よく目にする説に「初出のガ、既出のハ」ってのがある。これに似た考え方で「英語のaに相当するのがガ、theに相当するのがハ」ってのもある。
「ガ」の話が絡むので、ザックリと。
「初出のガ、既出のハ」「英語のaに相当するのがガ、theに相当するのがハ」ってのは、日本語学習者にガとハの違いを教えるにはうまい方法だと思う。
ただ、やはり子供だましだろうね。あくまでも入門者への導入話としてはオススメってこと。
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんガおりました。ある日、おばあさんハ川へせんたくに行きました。
たしかに「初出のガ、既出のハ」になっている。
じゃあ、下記ならどうなる?
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんガおりました。ある日、おばあさんガ川へせんたくに行ったときのこと……。
これだと、既出もガになっている(笑)。
個人的には、最初の「おばあさんハ」のハは「対比」では、と考えている。
下記のようにすればハッキリする。
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんガおりました。ある日、おばあさんハ川へせんたくへ、おじいさんハ山へ柴刈りに行きました。
このあたりに深入りするのはやめておく(笑)。
下記もおもしろい例。
【ここで と ここでは の違い。】
https:/
ここでハ写真を撮らないでください。
ここでない場所でハいい。あそこでハいいけど「ここでハ」ダメ、と考えるなら「対比」。
ほかの場所のことは知らないけど、とにかく「ここでハ」ダメ、と考えるなら「限度」(この場合は「限定」「強調」のほうがわかりやすいかな)。
もうひとつついでに。
個人的に「ハの後ろは否定形になりやすい傾向がある」と考えている。真偽のほどは……わかりません(泣)。
【ハの後ろは否定形になりやすい傾向はあるのでしょうか】
https:/