実家ではお盆の日、家族そろって御詠歌を唱える。
声を合わせていると、不思議なことに、ひとり、またひとりと、見えない声が重なってくる。…ご先祖様が加わられているのだ。
嬉しい年には、御詠歌の最中、私の体を借りてわんわんと泣かれることもある。
家族はすっかり慣れているので、私はそのまま放置され、御詠歌は淡々と続く。傍から見れば、何とも奇妙な光景だろう。
送り盆になると、花や供物、胡瓜や茄子の精霊馬、精霊牛を新聞紙で包み、松明を手に近くの橋まで向かう。
ご先祖さまが迷わぬよう、振り向かずに進むのが習わしだ。
橋に一歩足をかけた瞬間、空気が一変する。
圧縮された風が束になって駆け抜ける!
思わず体がのけぞるほどの強い気配…
「凄い数…ああ、皆さま、戻られているのだな。」
橋のたもとにしゃがみ、松明を置いて念仏を唱える。
ここでもまた、ご先祖さまの声が重なる。
お盆は、本当にご先祖さまが帰り
そして確かに、あの世へ戻られる日だ。
だから、お盆に遊びに行くのもよいけれど
ご先祖さまを感じ、日頃の感謝を忘れてはならないですね。

