昨日の記事『心臓の解剖学(リンクはコチラhttp://ameblo.jp/kuroneko-hitorigoto/entry-12277080099.html)』では、心臓の栄養血管『冠状動脈』について書きました。
今回は、心臓の弁について書きたいと思います。
御存知のように、心臓は全身に血液を送る働きをしています。
体を巡っていた血液は、上大静脈と下大静脈で右心房に戻ってきます。
右心房から右心室へ流れ、肺動脈へ流れて肺へ向かいます。
肺に到達した血液は、酸素を供給して二酸化炭素を排出するガス交換をして、肺静脈に流れ心臓にもどります。
肺静脈は左心房に流れ込み、左心室から上行大動脈へ流れて全身を巡るわけです。
ちなみに右心房→右心室→肺の循環が『肺循環(小循環)』、左心房→左心室→全身を『体循環(大循環)』と言います。
さて話を戻しますが、心臓は血液を送る際に血液が逆流すると、上手く血液が送れません。
そのため逆流防止の弁があります。
左右の心房から心室の間にある弁を『房室弁』といい、左心室と大動脈にある弁を『大動脈弁』、右心室と肺動脈にある弁を『肺動脈弁』と言います。
左房室弁は2枚で逆流を防ぎますので『二尖弁(僧帽弁)』、右房室弁は3枚で逆流を防ぎますので『三尖弁』と言います。
また肺動脈弁と大動脈弁は、形状から『半月弁』と言われます。
イラストにするとこんな感じです。
グレーの部分が弁で、『乳頭筋』という突出した部分と結びついています。
この結びつきによって、弁がひっくり返るのを防いでいるんですね。
メチャクチャ長くなりましたが、弁が閉まらなくなると血液がうまく送れなくなり、血栓もできやすくなります。
なぜ血栓ができやすくなるか、弁が閉まらなくなる原因は何かなどを考えると、より臨床的に勉強できると思います。