令和になった今月、やはり伊勢の神宮にも訪れなければいけないでしょう。
ということで、3週にわたって伊勢の神宮特集をしようと思います。
第一弾は豊受大神宮、いわゆる外宮(げくう)です。
https://www.isejingu.or.jp/about/geku/index.html
第21代雄略天皇の御代に、天照大御神が夢枕にたたれて
「大御饌(おおみけつ)も安(やすけ)く聞食(きこしめさ)さず坐(いま)すが故に、丹波国の比治(ひじ)の真名井(まない)に坐す我が御饌都神、等由気大神(とゆけのおおかみ)を、我許(あがり)もが」
と教え諭されたました。
訳しますと
「食事を心安く食べられないので、丹波国の比治の真名井にいる自分の食事係の豊受大神が私のそばにいたらなあ。」
とおっしゃったとのことです。
それで、雄略天皇は立派な宮殿を建てられたのが、豊受大神宮の創建です。
以後、外宮御垣内の東北に位置する御饌殿で、朝と夕の二度にわたり、天照大御神に食事を捧げる日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が行われています。これは毎日、一日たりとも欠かされたことはありません。
さて、豊受大神宮には本宮と別宮とあります。
パンフレッドなどに記載しておりませんが、参拝の順番が決まっています。
こちらでは、参拝順に紹介して参ります。
正宮
豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)がお鎮まりあそばされている正宮です。
伊邪那美命(いざなみのみこと)が火傷を負って苦しんだ際に、尿から生まれた和久産巣日神(わくむすび)の子が豊宇気毘売神になります。
神明造(しんめいづくり)と称されるこの神社建築は、今では板葺(いたぶき)なども含めることがありますが、本来であればこのような茅葺(かやぶき)に限ります。
なお、この神明造の中でも、内宮と外宮の本宮については独特の構造をしていてほかに類がありません。
さらに明治以降同様の建築は禁じられたため、唯一神明造と称されています。
ここでは必ず、感謝とご挨拶の言葉を述べるだけに留めましょう。自分本位なお願いなどはしないようにしてくださいいね。
別宮その1 多賀宮(たかのみや)
こちらは、豊宇気毘売神の荒魂(あらみたま)を祀る社です。
神様には和魂(にぎみたま)と荒魂(あらみたま)とあります。そのうちの行動的な力を持つのが、荒魂です。
この社では、己の決意表明をするとよいでしょう。
あれ?祈願はどこでするの?と思われる方もいるかもしれません。
こちらのブログでは何度も書いていますが、神社は「利己的なお願いごとをする場所ではない」です。
それ自体が、場違いであると理解しましょう。
別宮その2 風宮(かぜのみや)
元寇の際神風を吹いて日本を救った、級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)が祀られています。
こちらの2柱は雨風を司る神様で、農作物への影響が大きく、また日本を救ったその功績を称えてこちらに祀られることになりました。
別宮その3 土宮(つちのみや)
土地の神、大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)が祀られています。
豊受大神宮がご鎮座あそばされる前に、こちらの神様が鎮座していました。この地は水害が多く、宮川堤防の守護神として祀られていたのです。
豊受大神宮創建当時は別宮ではなく末社でしたが、大治3年(西暦1128年)に別宮に昇格しました。
所管社 下御井神社(しものみいのじんじゃ)
上記の土宮のさらに奥にひっそりと鎮座している社です。
通常、朝夕の大御饌祭の際に捧げられる水は、上御井神社(かみのみいのじんじゃ)と称される神社からいただいています(※上御井神社は豊受大神宮の境内にありますが、一般参拝客が入ることができない場所に鎮座しています)
こちらの上御井神社が何らかの事情で水を汲めないときに、代わりにいただくのがこちらの下御井神社になります。
豊受大神宮に訪れた際には、ぜひこちらの順番で参拝してみてください(^ω^)b
その際に、神名を書いたところはその神名を唱えながら参拝すると、神様のあなたへの心象がよくなることでしょう。
さて、そんな豊受大神宮から車で10分弱のところに、ちょっと変わった伊勢海老のフルコースがいただけるお店があります。
それが、倭庵 黒石(やまとあん くろいし)さんです。
こちらではなんと、幻と呼ばれる脱皮伊勢海老を堪能できるコースがあるのです。
まずお店の方が持ってきてくださったのは、脱皮したての伊勢海老ちゃん。
なんと殻ごと食べられるのです!
こんな風に見えてぷにぷにで柔らかいです。
で、伊勢海老のお造り。
上をとると、白い美しい身がこんにちはします。
身が引き締まっていて、甘みがあります。
とにかく弾力が素晴らしいです。
あれ?これグミだっけ?っていうくらい、もっちもちです。
さきほどの脱皮殻をカリっと揚げた逸品。
揚げているため、サクサクです。
ニンニクの風味が利いていて、よく冷えた白ワインがべらぼうに合います
足までしっかり調理されているので、無駄なくしっかり全部いただけます
ただ、個人的に素晴らしいと思ったのが伊勢海老の赤出汁。
伊勢海老の風味と赤味噌が、信じられないくらい合います。
臭みは一切ありません。身をほぐしほぐし頂きます。
五臓六腑に染み渡るまろやかで優しい味わい
多分、小学生でも美味しいと思えるような、誰もがほっこりできるような独特の甘みがあります。
しかしなんといっても、私が一番感動したのはこちら。
天巻きです!(´∀`)
サックサクに揚げた天ぷらの海老を、豪快に巻きにしています。
天むすと違うのは、天つゆに浸されていない点。
少量の塩がふってあるだけ。
そのため、天ぷらのサクサク食感が残ったままなのです。
食感を楽しんだ後に、ぷりぷりの海老の身と味わい、これが塩によってさらに風味を増し、海老を味わった後で優しくご飯の甘みが広がってとけていく。
とんでもなく美味しいです!
この天巻きを頬張りながら、赤出汁をすする・・・。
天国です!!!
伊勢海老を心行くまでいただきたいなら、ぜひこちらのコースでたまらないコラボレーションを楽しむべきでしょう(๑♡ᴗ♡๑)
なお、伊勢海老は10月~4月の間しか採れず、それ以外は禁猟となるのでご注意を(´・ω・`)b
令和になって、新たな力に満ちる豊受大神宮。
食事係りを司る豊穣の女神を参拝した後は、日本人であることを感謝したくなるような幸せに満ち溢れた伊勢海老コースを堪能してみてはいかがでしょうか(๑→ܫ←๑)
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黒木 蜜(くろき みつ)HP:http://mitsu.work/
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