遺伝診療科では

院内の廊下で写真パネル展をしている

HBOCの当事者会クラヴィスアルクスとの共催によるもので

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)や当事者の思いを知ってもらうため

その思いを手紙や写真にして

15枚ほどのパネルの展示となっている


とても素晴らしい取り組みだと思う


一方で展示されている場所に

違和感を覚えた


そこには外来待合がある

緩和医療科

化学療法室(抗がん剤治療)

乳腺外科、婦人科


まさに当事者に関わる場所


誰の指示なのか

あえてそこを選んだのか


感動的な内容ではあるが

読んだら泣いてしまうからと

私を含め、そういう声を聞く


ましてや

当事者や家族、親しい人たちが

それをどんな思いで受けとめるのか


勇気づけられるかもしれない

自分たちだけじゃない

頑張ろうと思うのか


それとも

自分の病気に悲観的で

治療が辛いとか

大切な人を悲しませるとか


命に関わる病気の場合

受けとめる段階があるから

その状況によっても違う


私は子宮体癌で手術をしている

8年前のことだから忘れかけているが


その頃は

小林麻央ちゃんが乳癌を公表して

彼女のブログに励まされてきた


私は初期だったから

術後の治療はなかったけれど


娘たちに心配をかけたくないと

自分の体より気にしていた


娘たちはどんな思いでいたのか

それさえも怖くて聞いていない


今は私の大切な人が

肺癌の末期で治療中だ


なんで早く気づかなかったのか

本人の受けとめる段階を見ながら

私もずっと悩み自分を責めた


医療従事者という立場で

その両方からの思いで見ると


バネル展示の仕方に疑問がわいてしまう


広く知ってもらう

癌の早期発見につながる


今や遺伝診療に注目が集まり

医学は遺伝子レベル進んでいる


病気がわかったときの

本人や家族の受けとめ方は変わらない


何か複雑な思いでいる


そこに展示したのには

意味があるのだろうか


週明けには多くの人が目撃する