以前のブログに、
最近、知り合った夫婦は、
夫は精神疾患、妻は視覚障害、と書きました。
しかし、夫のほうは、正確には、
精神疾患と言えないのかもしれません。
彼は、30歳のころから何度も精神科病院に入院し、
当時の診断は、統合失調症だったそうです。
しかし、ずいぶん経ってから診断が変わり、
「病気ではなくて、性格の問題」と言われ
現在は、通院も服薬もしていないそうです。
「病気ではない」と宣言されることに関して、
またまた、引っ張ってきますが、
ドラマ「6人の女 ワケアリなわたしたち※」でのワンシーン。
※がん治療で知り合った6人が、亡き闘病仲間の遺灰をまきに、フランス・アルプス登頂をめざす物語
乳がんの再発におびえる女に、医師からの電話がきます。
「検査の結果、腫瘍は良性でした」という内容。
女は、「ほんとでしょうね。人違いじゃないでしょうね」と何度も念を押し、
「もういちど、フルネームで言ってください」と頼みます。
「○○さんは、がんではありません。あなたは健康です」と医師が言うと、
女は感極まり、地面に接吻して、何度も「メルスィ、メルスィ」と言う、、、
「病気ではない」と断言されれば、嬉しいことのはず。
でも、精神疾患関連では、そうとも言えないケースがあると思います。
彼の場合も、「病気ではなく性格の問題」と言われたけれど
生きづらさが、なくなったわけではないし、
抱えているものは、変わらない。
仕事を継続するのも、依然として難しい。
実は、私も、担当した医師に、
「病気じゃなくって、性格なんじゃない?
薬なんか飲んでても、無駄なんじゃない?」
と、尋ねたことがあります。
「クロフネさんは、病気です」との返答に
安心する自分も、確かにいました。
「病気ではなく、性格だ」と言われたら
これまでの苦労は何だったのかと思うでしょう。
彼は、「自己愛性パーソナリティ障害なんだって。自分が一番なんだってさ」
と、あっけらかんとして言うのですが、
それを受け入れるのも、
簡単でなかっただろうと推察します。