
本作を書くにあたって、まず考えたのが
「短編」というパッケージ
新作に挑むときは「いつも最高傑作を」と、心がける中で
「"短い"から"いつもよりは面白くない"じゃダメだろ」と
夏目漱石さんら辺が言っていた
「長い手紙は簡単だが、短い手紙は難しい」的な事象に
勝負を挑まねば、と
心の師である手塚治虫先生の短編漫画や1話完結ものでは傑作と思っているギャラリーフェイクを読みまくり、落語、講談を聞きまくり、「世にも奇妙な~」「ドラえもん」を観まくって
どうにか
「短いからこそ面白い」
戦い方を見つけて
執筆に至りました
テーマは、漠然と「"祈り"という感情、行為は"神"という概念より先に生まれた本能的なものなんではないか」というものがあって
「さて、そんな複雑なこと25分で表せんのかね?でも、今一番書きたいのこれだもんなー」と
街をさ迷っていた時に見つけた
「○川内科」の看板
壺だ!!!
坪川内科メンタルクリニックだ!!
そこからはもう
まず壺をモチーフにしようと決めてからはイメージ修行。最初は実際の壺を一日中いじくって、とにかく四六時中。
目をつぶって触感を確認したり何百枚何千枚と壺を写生したり、ずーっとただ眺めてみたり舐めてみたり、音を立てたり嗅いでみたり壺で遊ぶ以外は何もするなと師匠に言われ、しばらくしたら毎晩壺の夢を見るようになって、その時点で実際の壺をとりあげられた。そうすると今度は幻覚で壺が見えてくるんだ。さらに日が経つと幻覚の壺がリアルに感じられる。重さも冷たさも割れる音も聞こえてくる。いつのまにか幻覚じゃなく、自然と具現化した壺が出ていたんだ。
という風に
一気にストーリーが構築され
集まってくれた最高のキャストたちに想いを馳せ
「この情報は誰がどうやって出したら一番面白いだろう?」
と全体を構成
「全てを失った先の人生」について
精一杯"面白く"表現出来たのではないかと思います
実際、作り始めたときは
「未来の自分がこれを観たときに、何かしらの救いが訪れればいいな」なんて思いながら作ってたんですが
作ってみたら面白すぎて
この作品自体が、自分への救いになってしまったりしました
レジェンド達から学んだ短編の勝ち方
「痛快な謎解き」
その一歩先に挑戦しようと
最後の最後に残した謎は
「謎であることこそ」に意味があるので詳しい解説は致しません
"キ"で、始まって"シ"で終わる
そのあいだを埋めるために
観客の皆様が考えたことこそが
この作品のメッセージなんです
ああ、まだほとんど脚本のことしか書いてなくて
演出とか演技とかプロデュース的なことについても色々書きたいんだけれども
長くなってしまったので、それはまた別の機会に
とにかく大会に参加した全団体
スタッフ、キャスト
なによりも
観客の皆様!!!!
ありがとうございました!!
2位!
悔しいです!!!!!!