さて。オーボエを吹こうシリーズの第二回は、リード調整についてです。







リード調整といっても。
「完成品リードを買うだけで、何もいじったこともない!」という方もたくさんいらっしゃるはずです。







そんな方々のために。
まず、どんな道具を用意したら良いのか、という第一歩目から。







色々ありますが、リードナイフ以外は安いのでご安心ください。
この記事で紹介したものは、楽器店やダブルリード専門店、インターネット販売、ホームセンターにて簡単に購入できるものばかりです。








まず、一番大事なものから。





■リードナイフ

読んで字のごとく、リードを削るナイフです。
写真は右利き用(左利き用も販売されています)で、右側に写っているものはケースです。


私が利用しているのはANDO(アンドー)というメーカーのもので、片刃です。
値段は現在14000円くらいのようです。
ANDO以外にも色々なメーカーから出ていますが、値段も7000円程度〜数万円と様々です。


このナイフは中学生の頃から(!)使っていますが、全く壊れる様子はありません。
裏面が真っ平らなので、研ぐのも非常に簡単です。

他のメーカーの物も含め4本ナイフを持っていますが、結局使い勝手の良い2本のANDOナイフを使いまわしています。

初めての方は勿論1本あれば充分です。
メーカーはなんでも大丈夫ですが、楽器店やダブルリード専門店、それらのインターネット販売で購入するのが間違いないでしょう。





■プラーク

写真左の黒い三角形のものです。
これはリードを削る際に、リードの先端に差し込む下敷きのようなものです。
リードを削る際に必ず使います。それ以外にも、差し込んでリードサイドの汚れをチェックしたりします。

材質はプラスチックや黒檀などです。
厚みも薄いものから厚いものまで様々。
お値段は300円くらい〜1000円くらい。


私のものはリーガーというメーカーのプラスチックのもので、厚みはあまりありません。500円前後だったかなぁ。
プラスチックなので消耗することもなく、これも20年くらい使っているような気がします。
私の周りでもこれを使用している人が多いかなぁ。


リードの開きがしっかりあった方が良い方は厚めのものをお勧めします。
まぁ、安いのでいくつか試してみるのも良いですね。





ナイフとプラーク。
この2つはリード調整の必須アイテムです。






続きましてリードの開きを調整するアイテム。





■ラジオペンチ

これはホームセンターなどで売っている普通のラジオペンチです。1000円前後くらいで購入できるはずです。
ワイヤーを締めたり、切断したりします。
先端が細くて、中央にカッター機能の刃がついています。カッター機能がないものは丸ペンチといいますが、ワイヤーを切る必要があるので間違えないようにしましょう。

自分の手の大きさに合わせて、使いやすそうなものを選びましょう。




■ワイヤー

リードの開きや響きを調整するために使います。


ワイヤーの材質は、真鍮、ステンレス、などがあります。
太さは0.28mm〜0.35mmあたりを使います。

ダブルリード専門店で売られているものは、真鍮ワイヤーの0.3mmが主流です。


ワイヤーはホームセンターや手芸用品専門店、ネット販売で購入するのがお得です。
長い状態でぐるぐるに巻かれて売られていますので、それをカットして使います。


いちいち切って使うのが面倒な方は、少し割高ですが、ダブルリード専門店で売っているものが良いでしょう。使いやすいサイズに予め切りそろえてあります。









■爪切り

ピッチが低い場合、リードの先端を切るために使います。

本来リードを切る際には、リードブロックという道具を下敷きに使ったり、専用のリードカッターという道具を使ったりします。
が、携帯しやすい、扱いやすい、安い、というメリットがある爪切りをお勧めします。


みたまんま、爪切りです。

ただし!足の爪切りです。刃の先端が真っ直ぐになっているのが特徴。リードの幅にぴったり。
ドラッグストアで買いましょう。コンビニにも売ってます。数百円。






そして最後は巻物系。




左から順に。
リードラップ、フィッシュスキン、水道管テープです。
これはリードの息漏れを防いだり、リードの響きを調整したりします。


■リードラップ

気密性が高いので、リードサイドの息漏れが激しい時に最適です。
ただし、響きを抑える働きもあります。

使い方は細くカットしてから、びよーーんと伸ばして、リードに巻きつけます。伸ばしながら巻き付けると、よりピッチリ密着します。
空気と共に水分も通しませんので、巻く箇所が湿っているとカビやすいので注意しましょう。

購入はダブルリード専門店で。
100円くらい。



■フィッシュスキン

リードラップとは違い、空気は漏らさず水分は通す性質があります。
リードの響きにはあまり影響ありません。

伸縮性がなく、剥がれやすいのが難点です。
使い方はカットして(裂けやすい方向があるので注意)、水をつけながら巻いていきます。
巻き終りがうきやすいので、乾燥したらマニュキュアやボンドを薄く塗っておく人もいるようです。

購入はダブルリード専門店や楽器店で。
1000円くらい。



■水道管テープ

これはリード専用のグッズではありません。
水道管の水漏れを防止するためのテープです。
ホームセンターの水道関連のコーナーにあります。蛇口とかホースに列んで売られています。
最近ではダブルリード専門店でも売っていますが、ホームセンターの方が安いです。

空気も水分も通しませんので、リードラップに近い性質があります。
ただ、縦横方向には伸縮性はありません。斜めには伸びますが、基本的に伸ばしては使いません。
リードラップほどには密着しませんが、巻き終りが浮いてきても、指で押さえればくっつきます。

200円前後。







上記については3種類揃える必要はないですが、あれば選択肢が増えますのでやはり便利です。
私はリードの状態、目的によって使い分けています。


コストパフォーマンスでいうと、水道管テープ>リードラップ>フィッシュスキン、の順でしょうか。
あとは、普段利用している完成品リードに巻かれているものが何か、というのも重要になるかと思います。劣化してきたものの修正をするならば、同じ種類が良いですからね。







リード調整に使う基本的な道具はこんな感じです。
他にも色々あるっちゃあるんですが、これだけあれば一先ず大丈夫。








今の時代、お店に行かずとも、ネットでポチっとやればお家に届けてもらえます。
でも私はホームセンターとか東急ハンズで、リード製作に使えそうなグッズを探すのが好きなんですけどね。工具コーナーとかテンション上がります。






ま、それはおいといて。

文中に度々出てくる「ダブルリード専門店」てなんなのよ?という方。

「ノナカダブルリードギャラリー」と「日本ダブルリード株式会社(JDR)」の2社が、日本における大手のダブルリード専門店です。
日本中のダブルリード奏者が足繁く通うお店です。
この記事で紹介したものは、店頭でもネット販売でも購入できますのでご活用ください。
(リンク貼ろうとしたのですが、何故か記事をアップできなくなってしまったので、各自でググってくださいませ…)








という訳で、お道具編でした。
今後ここで紹介した道具を使って、リード調整の解説をしていきたいと思います。
(写真撮ったりするのに人手が必要だったりするので、更新は時間かかると思います。先に別のトピックを更新する可能性もありますのでご了承くださいませ…)