「秩父菊水酒造」杜氏・綱島睦彦さん-4 | ようこそ、黒豚劇場へ!

ようこそ、黒豚劇場へ!

黒豚劇場の舞台には、彩の国・さいたまの黒豚を中心に、テーブルを彩る様々な食材、地酒、そして人々の物語すべてが主役として照明を浴びています。そのひとつひとつを丁寧に、紹介して参りたいと思います。

「秩父菊水酒造」さんの
蔵の中を
ご案内頂きました。

まずは、
原材料のお米を蒸す場所です。



規模的には大きくはないものの、
そこそこの量を生産できる
蔵のサイズに見えましたが、

蔵を引き継いでから、
酒造りの新人さんたちと共に
じっくりと技術を身につけたり、

新生「秩父菊水酒造」ならではの
味を開発したりするために、

現在は小ロットの生産を
されているそうです。


次に仕込み蔵兼、オフシーズンは
貯蔵庫として活用している場所です。



タンクに竹を巻いているのは、
前々回、前回とご紹介しました
社長のアイデア。

電子部品の会社を経営されている方と
お聞きして、大変ハイテクで機能的な
お考えをされるのでは、と思いきや、

歴史ある酒蔵の活かし方を
発想豊かにチャレンジされていらして
驚かされます。


そして麹室(こうじむろ)へ。

麹菌の胞子を蒸かしたお米にふりかけ
よくかき混ぜ、菌を根付かせて一日。

部屋を移して、さらに発酵させ
麹菌を培養して一日。

麹が出来上がります。




大変広い麹室でした。

この蔵は、「3トン日仕舞(ひじまい)」。
つまり、毎日3トンの仕込みが
出来る蔵、という意味だそうです。

しかし現在はスタッフが5名しかいないのと、
前述の通り新人研修や商品開発のために

蔵の持っている機能よりもずっと
少量の生産となっているとのこと。


この麹室で出来上がった麹と水を混ぜ、
さらに酵母を加えていくことで
仕込みに重要な酒母が出来上がります。

麹と酒母、そして蒸したお米を混ぜ合わせて
醪(もろみ)となります。

蒸したお米と麹を三回に分けて加えることが
所謂「三段仕込み」と言われているものですね。

この醪を仕込みのタンクの中で2030日かけて
発酵させて、やっと日本酒が出来上がります。


ところで、原材料の酒米のみならず
酵母にも種類と特徴が数々あります。

「秩父菊水酒造」さんで使われている酵母は
どんな種類なのでしょう?

次回はそのあたりのお話をお伺いします。