糖尿病と腎臓病って、どんな関係
腎臓は、腰の上のほうに、背骨をはさんで左右に位置しており、ソラマメのような形状で、人のこぶしくらいの大きさをしています。腎臓は血液から老廃物を取り出す機能があり、取り出した老廃物を尿として排泄しています。これにより、体の水分量やミネラルバランスが調整されるため、体の中の環境がきれいに整えられます。また、腎臓はホルモン分泌もしており、血圧や赤血球の量を調節することにもかかわっています。
腎臓は、私達が生きていくために欠かせない臓器ですが、さまざまな原因によって悪くなってしまうことがあります。腎臓の機能が著しく低下し、機能停止(腎不全)の状態になってしまうと、“透析”を行うことになります。
この、透析導入原因の第1位といわれているのが、“糖尿病性腎症”です。
なぜ糖尿病だと腎臓が悪くなるのかというと、血液中の糖分が増えると、血管の壁が傷ついたり、血管が痛んで古くなったゴムホースのようにもろくなったりします。腎臓には血管が豊富に通っているため、余分な糖分が腎臓を傷つけ、その結果、腎臓の細胞を痛めつけてしまい、腎臓をダメにしてしまうのです
糖尿病以外にも、高血圧や脂質異常症なども腎臓を悪くしてしまう原因の1つです。生活習慣病と慢性腎臓病は切っても切れない縁で結ばれています。そのため、慢性腎臓病の治療はすべての治療を同時に行い、縁を切ります。これを集学的治療と呼びます
『治療』というと、“薬物治療”を思い浮かべるかもしれませんが、慢性腎臓病の進展阻止においては、“生活改善”や“食事療法”も重要です
糖尿病をよくすることは、腎臓を守ることにもつながります。
今一度自分の生活を見つめ直し、腎臓に優しい生活を送りましょう
透析看護認定看護師