タヌ機[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『タヌ機』をメガネのように掛けると、メガネのツルのアンテナから、こっちの脳波を相手の脳に送り込んで、「思い通りのまぼろしを、見させることができる」

 

【使用目的】 スネ夫がのび太の顔はタヌキに似ているので、しずちゃんもジャイアンも大笑いしてしまった。顔を真っ赤にして家に帰ると、ドラえもんもタヌキの話を聞いて、「ク・ク・ク… ゲラ ゲラ」と笑い出してしまった。大いに反省したドラえもんは「タヌ機」を出している。

 

【使用結果】 「タヌ機」をかけたのび太に「ジー」と見つめられたドラえもんは「月夜だ。そしてぼくはタヌキだ」と言いながら、「ハアア、おいらのともだちゃポンポコポンのポン」と陽気に歌い踊り出した。実験は大成功だったので、のび太は「タヌ機」を借りて、スネ夫を化かしに出かけた。

 

 スネ夫が化かされると、商店街が山道になり、日も暮れかかり、散歩中のイヌに出会うとオオカミに見えたので、一目散に逃げ出した。すると目の前にボロ屋が見えたので、中に入ると、十二単を着たきれいな女の人が座っていた。

 

  実際、その人はしずちゃんであったが、全く気づかず、ひとりでこんなところに住んでいて、寂しくないのですかと尋ねるので、しずちゃんもスネ夫さんは寝ぼけているのではないかと思ってしまった。

 

 うまそうなおかゆだと思って、ガブリ」と食べてみると、バケツに入った水であったので、スネ夫は「ブヒャ ペッ ペッペ」と吐き出し、「おまえはキツネかタヌキだな! シッポをみせろ!」と外まで追い掛けてきた。

 

  しずちゃんが「スネ夫さんが、おかしいのよ」と、ジャイアンに助けを求めると、ジャイアンが「しっかりしろスネ夫!」と止めに入ってくれた。スネ夫が震えながら「ゴリラだ!」と絶叫したので、ジャイアンから「ボカ」とパンチをもらうことになった。

 

 「ハッ」とわれにかえったスネ夫は「ごめんよお」と言いながら、懸命に逃げ出したので、ジャイアンが追い掛けてきた。のび太が「これで胸がスッとしたよ」と思って歩いていると、スネ夫がのび太の目の前で、「ヒラリ」と体をかわしたので、ジャイアンのメリコミパンチが「ドカ」と、のび太の顔面に炸裂した。

 

 玄関前で、ママから「どうしたのよ、タヌキみたいな顔して」と言われたので、のび太は左手に割れた「タヌ機」を持って、ドラえもんに「アアン、ママまであんなことをいっている」と、ドラえもんに泣いて訴えている。

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