風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~(原題:风起洛阳)観終わりました。
2022年、全39話。马伯庸の小説「洛阳」改編。ネタバレ注意。
【あらすじ】
武則天の時代、武周の神都・洛陽。出身階級が異なる高秉烛/高秉燭(こうへいしょく)、百里弘毅(ひゃくりこうき)、武思月(ぶしげつ)がそれぞれの目的のために手を組み、洛陽で起きた事件の調査、春秋道の陰謀を阻止し平和な神都を守る物語。
武則天は、治世のため密告を奨励していた。密告した者は入京を許され、密告された者は厳罰に処せられた。人々は恐怖におののき、密告する者はいつの頃かいなくなっていたが、突然密告者が現れる。密告者はなぜか工部尚書の次男で美食通で知られる百里弘毅のところへ。何も伝えることができないまま密告者親子は殺されてしまう。
洛陽の底辺の不良井(ふりょうせい)出身の検視人、高秉烛は事件に巻き込まれ、容疑者になってしまう。自身の潔白を証明しようとした時、毒殺された父親の真相を探る百里弘毅と出会い、2人は協力し調査を始める。名門出身の内衛、武思月は関連事件の調査のため、疑わしい高秉烛に近づく。容疑者ではないと分かった武思月は高秉烛に対して違った想いを持つように・・・
武芸に長け頭脳も優れている高秉烛は、5年前に不良井から連れ出した仲間たちが太子暗殺未遂事件に巻き込まれ、特徴的な手戟を持った刺客に殺されたことへの自責の念と復讐心だけで生きている。美食家の百里弘毅は親の言う通りに結婚することを嫌がっていたが、結婚式当日に父親が殺される。最初は現場に居合わせた高秉烛を疑うが、父親の遺体を解剖し遅効性の毒で殺されたことが判明。真犯人を探すことに。内衛として働く武思月は、皇帝の命で事件を調査する。そんな3人が手を組んで殺人事件を調査するのだが、高秉烛は検視人からお尋ね者、そして皇帝の耳目・聯坊に。聯坊のトップ、公子楚は身分を隠すため仮面をつけているが、実は皇帝の孫、东川(とうせん)王だった。
高秉烛は同じく不良井出身の白浪(はくろう)に情報収集してもらったり、積善博坊の女将、窈娘(ようじょう)に匿ってもらって事件の真相を探っていくうちに春秋道という組織が関係していることにたどり着く。
3人の近しい人が春秋道だったり、被害にあったりと多くの人が退場していっちゃう。
高秉烛の場合
不良井から連れ出した仲間6人…太子暗殺未遂事件に巻き込まれる→全員死亡
妹(阿曇(あたん))…春秋道と関係しているかは分からないが→行方不明
母…気がふれたと思っていたら、実は息子が気兼ねなく復習できるように芝居をしていた→自害
王登成(おうとうせい)…不良使で母の世話をしてくれて感謝していたが、春秋道に入ってた→死亡
窈娘…親友だと思っていたのに5年前の事件の犯人、十六夜だった→自害
武思月…十郎が思月の兄、武攸诀(ぶゆうけつ)を狙って放った矢に気づき、守ろうとして→死亡
百里弘毅(二郎)の場合
百里延(ひゃくりえん)…百里弘毅の父親で工部尚書。色々知りすぎたらしい→死亡
申非(しんひ)…百里弘毅を守ろうとして→死亡
百里宽仁/百里寛仁(ひゃくりかんじん)…死んだと思っていた6本の指を持つ兄。春秋道の掌春使。計画を実行してわざと捕まる→死亡
武思月の場合
李北七(りほくしち)…幼馴染。武攸诀に利用される→死亡
武攸诀…皇帝に忠実な奉御郎だと思っていたが、実は春秋道の归藏凤/帰藏鳳でラスボス。妹が自分をかばって死んでしまったので気が触れる→一生内衛の牢に入る
武思月…兄をかばう→死亡
柳然(りゅうぜん)の場合
柳襄(りゅうじょう)…大好きな叔父は春秋道だった→自害
十郎…弟は愛する春禾/宇文佩佩(うぶんはいはい)が春秋道だと知らず、愛する人が殺されたのに何もしてくれなかった奉御郎・武攸诀を殺そうとするが、誤って武思月を殺害→出家
これだけ近くにいたのに、春秋道だと分からなかったか?と思いたくなるほど身近にいる。
それにしても武攸诀がどんな経緯で春秋道にはいって归藏凤という地位についたのか?どのように春秋道に連絡を取って指示していたのか?掌春使の百里宽仁は本当に归藏凤が誰なのか知らなかったのか?誰から計画を伝えられていたのか?
などという疑問は語られてなかった、よね?
武攸诀の謀反を防ぐために百里弘毅が不良井の住民を説得し、住民の協力によって謀反は未然に防ぐことができた。それにより、不良井の住民は自由を得ることができた。白浪も洛陽の美食を味わい、きっとこれからはまともな仕事を始めるだろう。
百里弘毅は最初結婚に対して全く乗り気じゃなかったし、柳然への接し方もどうすればいいのか分からないって言ってる人だったし、柳然も二郎、二郎ってまとわりついてたから、誰でもイヤ、ウザいってなると思う。それが事件に柳然が巻き込まれたり、自分から巻き込まれたり?するうちに、お互いが少しずつ接し方を変えていき、夫婦になれて神都を離れることに。
高秉烛も5年間の苦悩を乗り越えたんだから、出自を全く気にせず自分を想ってくれた武思月と一緒になってほしかった…
马伯庸には是非とも、主要メンバー全員がハッピーエンドで終わる話を書いてほしい。
このドラマは照明にすごくこだわって撮っていて、とても暖かみのあるシーンが多い。こんな感じ。
ロウソクを多く用いて、視覚的に明るくあったかみを感じる。
【主要登場人物紹介】
高秉烛/高秉燭(こうへいしょく)役 黄轩/黄軒(ホアン・シュエン) 1985.3.3生まれ 177㎝
代表作:推拿【映画】(ブラインド・マッサージ)、妖猫传【映画】(空海-KU-KAI-美しき王妃の謎)、芈月传(ミーユエ王朝を照らす月)
演技が上手いのはもちろんだが、ますます大人の色気が出てきていると思うのは私だけ?
百里弘毅(ひゃくりこうき)役 王一博(ワン・イーボー) 1997.8.5生まれ 180cm
代表作:有翡(有翡-Legend of Love-)、陈情令(陳情令)、陪你到世界之巅(GANK YOUR HEART-キミと、世界の果てまで)、冰雨火(冰雨火(ひょううか)~BEING A HERO~)
武思月(ぶしげつ)役 宋茜/Victoria(ソン・チェン/ビクトリア) 1987.2.2生まれ 168㎝
代表作:下一站的幸福(働く女子流ワタシ探し)、陌生的恋人(見知らぬ恋人~Love&Lie~)
柳然(りゅうぜん)役 宋轶/宋軼(ソン・イー) 1989.10.31生まれ 168㎝
代表作:赘婿(贅婿(ぜいせい)~ムコ殿は天才策士~)、庆余年(慶余年~麒麟児、現る~)、伪装者
今回のセリフ、圧倒的に「二郎!」が多かったね。
圣人/皇帝役 咏梅(ヨン・メイ) 1970.2.14生まれ 168㎝
代表作:中国式离婚/中国式離婚、北京爱情故事(1996)/北京愛情故事
お初ですが、落ち着いた雰囲気、声のトーンが皇帝役に合ってたと思う。
东川王/東川王(とうせんおう)役 刘端端/劉端端(リウ・ドゥアンドゥアン) 1986.6.4生まれ 184㎝
代表作:上阳赋(上陽賦~運命の王妃~)、庆余年(慶余年~麒麟児、現る~)、绣春刀Ⅱ:修罗战场【映画】(修羅:黒衣の反逆)
武攸诀/武攸訣(ぶゆうけつ)役 张铎/張鐸(チャン・ドゥオ) 1979.11.6生まれ 181㎝
放弃我,抓紧我、我们都要好好的
窈娘(ようじょう)役 张俪/張儷(チャン・リー) 1985.6.8生まれ 170㎝
柳襄(りゅうじょう)役 张晞临/張晞臨(チャン・シーリン) 1966.7.8生まれ 180cm
与君初相识(馭鮫記(ぎょこうき)前編:月に君を想う)、以家人之名(家族の名において)、人民的名义
「家族の名において」の凌父さんのイメージが強すぎて。払拭するような役を期待。