肘の痛みでMさんが来院されました。

 

病名は肘部管症候群です。

 

肘の内側にある肘部管というところに何らかの神経圧迫がおこり肘の痛みや手の小指にしびれが起こる病気です。

 

最初に手の親指が痛くなりある施術所で親指の付け根に鍼をして電気を流す施術をしたそうです。それをしていると痛みが減少したそうですがこんどは肘に痛みがでたそうです。

 

この親指の痛みの原因ですが私の見立ては親指の亜脱臼でした。この部分の説明が不足していると思いましたのでもう少し詳しく書きます。

 

男女とも50歳を過ぎれば筋力が低下し始めます。それは女性に顕著に現れます。それは筋量を増加させるのが男性ホルモン(テストステロン)だからです。男性も年齢とともに減少をしますが、女性はなおさらです。

 

この方は介護疲れと年齢からくる筋力低下のため親指のつけねに痛みがおこりました。一般的には拇指のCM関節症と呼ばれるものです。

 

CM関節とは親指の中手骨とその下の大菱形骨の間の関節です。

人の手は親指と他の4指が対立的に動きます。ところが親指の痛みのため親指を人差し指に引っ付けてものを握ろうとします。そのうえ親指のさきをそらして握ろうとします。そのために親指の付け根の関節がずれ始めるのです。

親指と他の指が対立的に動く

 

正しいつかみ方       この状態でつかもうとすると親指の付け根が痛む

 

長くなってすみませんが私の言いたいことは生活習慣に原因があればそれを改善しなければいくら施術しても治ることはないということです。(もちろん私は不調の原因と思われる動作は改善するよう指導してゆきます。)

 

このような方には軽くて丸い円柱(トイレットペーパーの芯のようなもの)をつかんで正しくつかむ練習をします。

 

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