肘の痛みでMさんが来院されました。
病名は肘部管症候群です。
肘の内側にある肘部管というところに何らかの神経圧迫がおこり肘の痛みや手の小指にしびれが起こる病気です。
この方は介護疲れでまず手の親指が痛くなりある施術所で親指の付け根に鍼をして電気を流す施術をしたそうです。それをしていると痛み減少したそうですがこんどは肘に痛みがでたそうです。その施術所では肘の鍼はしなかったので別の施術所で肘に長い鍼をしたそうです。痛みが変わらなかったのでお孫さんが小児はりをしていると聞いて当院に来られました。
私の見立ては親指の亜脱臼でした。これは親指の力の入れ方が痛みを避けるための動きになっているために起こったことです。同様に肘の痛みも力を長期間いれることができなかったため肘の筋肉が減り肘部管を安定さすことができず肘部管内で尺骨神経が動き（肘をしっかり曲げたときに神経が伸びきって動いてしまう）そのため尺骨神経に痛みがおこっているのではないかと考えました。
長くなってすみませんが私の言いたいことは生活習慣に原因があればそれを改善しなければいくら施術しても治ることはないということです。（もちろん私は不調の原因と思われる動作は改善するよう指導してゆきます。）
また強い施術は身体に負担が大きく疲れてくるともっと治りにくくなるということです。（この方は患部に直接鍼をさせないほど疲れていました。）
そんなときこそ身体にとってやさしい小児はりが有効です。軽い刺激によって交感神経の興奮がおさまり副交感神経の働きが高まって治癒力が上がり始めるのです。
その方の身体と心の状態にあった適切な刺激量を皮膚から与えることが鍼灸が有効な理由だと私は思っています。