先日、この様な質問を受けました。
“夜尿症の子はオムツを外した方が良いですか?”
夜尿症でお困りの保護者の方からよくある質問の一つです。
結論から言いますと、私はどちらでも良いと考えます。その子共にあった対応が大事です。
(※ちなみに夜尿症の定義は「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜尿が3ヶ月以上つづくもの」)
一般的に夜尿症の場合
「オムツをしていると、おねしょをした際に不快感を感じない為、起きてトイレに行くことを覚えない」と言われます。
しかし、これには明確な根拠があるわけではありません。
夜尿症の主な原因は二つ
1.睡眠時に作られる尿量が多い
2.睡眠時の膀胱容量が小さい
です。
オムツの有無はあくまで指標の一つにしかすぎません。
夜尿症の大きな問題点として子供の自己肯定感の低下があります。年齢が上がれば上がるほど心理的負担は上がります。
小学2~3年生くらいになるとオムツなしで寝て、朝になる度にパジャマや布団を濡らしても全然平気!!という子供はほとんどいません。
最近は夜尿症で叱るのはNGというのが広まってきましたが、オムツなしで頻繁におねしょをすると保護者もつい愚痴がこぼれてしまい、子供を傷つける事があるでしょう。場合によっては子供のトラウマになってしまいます。
またオムツがないとおねしょの不安で睡眠が妨げられるかもしれません。夜尿症においても睡眠は非常に大事です。
以上の点からオムツをつける事は決して悪いことではありません。
ただ、一方で思い切ってオムツをとってしまうと急速に改善するケースもあります。
小児科などで指導されるアラーム療法の様に、起きてトイレに行く習慣を身につける事で膀胱容量自体が増えて改善する事もあります。
年齢や性格、症状の程度で非常に個人差のある事ですので、その子その子にあった対応をするのが理想です。
いずれにせよ夜尿症で注意する点は子供の自己肯定感を下げない事、プライドを傷つけない事です。
これは本当に本当に重要です。
大きなポイントとしては
・怒らない
・叱らない
・比べない
・たくさんほめる
です。
中々治らない夜尿症に不安を感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、5歳では6〜7人に1人、10歳くらいでも20人に1人はいると言われてますので意外とたくさんいます。
そんな夜尿症でも中学生くらいになると殆どの子が自然に治ります。ただ治るからといって放置して良いわけではありません。できうる限り早期の治療が望ましいです。小児はりは、伝統的に効果があるとされてきた夜尿症対策の一つです。
最近では鍼治療と泌尿器症状の研究も盛んに行われ、その効果が確認されています。
栗田鍼灸院
住所 松山市岩崎町2丁目4-40
TEL 089-932-3899
Mail info@kuritahari.com