こんばんは。都議の栗下です。
 
 
既にいくつかの報道が出ていますが、本日都民ファーストの会を離党しましたので、改めてご報告させて頂きます。
 
都民ファーストの会に所属してから、3年半の間、活動をしてまいりましたが、その中にあって党と自身の方向性の違いが顕在化し、これまでそれを埋めようと努力を続けてきましたが、最終的に埋めることができなかったためにこの度、このような決断に至りました。
 
私が感じている党の問題点は大きく二つあります。
一つは、党運営、会派運営のあり方が極めて不透明であることです。
 
このことについては、これまで離党してきた6名の方々がいずれも訴えてきたことでありますが、それも無理のないことだと思います。
 
ブラックボックス政治の打破・情報公開を一丁目一番地として謳ってきましたが、党の運営・会派の運営、そして最も重要な政策決定、いずれにおいても他政党と比較しても秘密主義的であり、情報を共有しない、そして何よりも責任の所在を明らかにしない、という体質の改善のために、党内の会議で、ことあるごとに発言を続けて参りましたが、残念ながら改善には至りませんでした。
 
もう一つは小池知事との関係性についてです。
 
都民ファーストの会は「ふるい議会を新しく」を第一のキャッチフレーズに、都民からの期待を集めました。「新しい議会」とは、党利党略を超えて、何よりも都民の利益を追求した、政策本意の議論を行う議会であると私は捉えております。
 
当初、小池知事の勢力が都議会の多くを占めることで、二元代表制の本旨が損なわれ、翼賛的な体制になると一部の方々から心配の声がありましたが、そうならぬようにと、小池知事の行う政策に対して、時には疑問を呈し、軌道修正をしていくことが「新しい議会」の第一会派のあり方であると信じていました。
 
しかしながら、会派としては小池知事を守ることが最大の目的となり、小池都政の課題についても指摘しないと言う姿勢が当たり前になっていきました。
そういった体制に疑問を感じ、2年前の党代表選挙でも現・代表不支持を表明し、その後党内でも発言を続けてきました。
 
党内で当初は私以外にも問題提起をする方もおられましたが、そういったメンバーが抜けていったこと、そして変わらない党の体質にメンバーも諦めを感じてきたのだと思いますが、今では総会でも疑問を呈する方はいなくなってしまいました。
 
昨年末の一般質問の際にも、都庁に対する問題提起をしようとしましたが、党から止められるという出来事がありました。
都民から寄せられた相談を元に、その裏付けもとり、事実を基に問題の是正を求める質疑を用意しましたが、その問題が都庁の不祥事という側面も持っていたために、都庁職員からの相談を受けた会派役員から「その質問を行わないように」という働きかけがありました。
小池知事の名前を傷つけないように、第一会派がこのようなことを行うのであれば、もはや都民第一の政治とは言えないと思います。
 
いわゆる与党にとって、知事との距離感は永遠のテーマではありますが、現在の都民ファーストの会においては本来議会が果たすべきチェック機能は不十分であると思います。
質疑での問題提起すら拒むと言うのであれば議員の存在意義の否定であり、それは都民が望んだ「新しい議会」の姿では決してないと私は思います。
 
これまで3年半の間に積み重なったものをまとめてお伝えするのは極めて難しいとは思いますが、以上が私が離党を決めた大きな理由です。
 
本日午後3時より行なった記者会見の中では、質疑の中でさらに具体的な内容についても答えてきました。掲載された記事を見渡すと、それらが断片的に載っていたり、力を込めて話した部分については何処にも載っていなかったりと(文字数の関係もあるのでしょうが)残念に思える部分もあります。
 
本日の自身の発言について記録も残していますので、今後それらについても詳らかにしていきたいと思います。
 
今後、立場は変わりますが、自身のこれまで進めてきた政策については、これまで以上に力を込めて進められるよう精進を続けます。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 
 
令和三年二月十五日
栗下善行