こんばんは、くりした善行です。

鳥取県で有害図書指定された書籍がAmazonで販売停止になった件。私が検索したところ、三才ブックスさんの3冊を含む9冊全てがAmazonから消えています。

鳥取県の条例は2020年の条例改正時より追いかけていました。

Amazonによる販売停止に至るまでの時系列を振り返ります。

〈鳥取県青少年健全育成条例についての過去のブログはこちら〉

 

 

 

 

 

■鳥取県青少年健全育成条例改正の主な歩み

 

2007年(平成19年)

11月20日 知事記者会見 青少年健全育成条例の改正議案を11月議会に提出することを検討していることが明らかになる。事業者に対しフィルタリングソフトなどを使用することを努力義務に、一部は罰則も含める措置を考える提案をすると発言。

 

2008年(平成20年)

4月1日 条例改正 インターネット及び携帯電話の健全な利用環境の整備、青少年の健全な成長にとって有害なゲームソフト等の規制並びに深夜営業施設への立入りの禁止等の措置を講ずることにより、青少年の健全な育成環境の形成を図るため、所要の改正。

ゲームソフトの有害図書指定例は古くは宮崎県、話題となった神奈川県など他県では既にあったが、この改正により鳥取県ではゲームソフト(専ら家庭用コンピューターゲームに用いられるプログラムを記録したもの)も有害図書類に指定できる「団体指定」制度が導入された。􏱄􏲍􏰔􏲎􏲏􏲐􏲑􏲒􏲓􏲔􏲆􏲕􏲊􏲆􏱾 􏰟􏲐􏰻􏰔􏰪􏰄􏲇􏲚􏲛􏲜􏱾􏰇􏲂􏲃􏰌􏰲􏱷􏱌􏱄􏲍􏰔􏲎􏲏􏲐􏲑􏲒􏲓􏲔􏲆􏲕􏲊􏲆􏱾 􏰟􏲐􏰻􏰔􏰪􏰄􏲇􏲚􏲛􏲜􏱾􏰇􏲂􏲃􏰌􏰲􏱷􏱌􏱄􏲍􏰔􏲎􏲏􏲐􏲑􏲒􏲓􏲔􏲆􏲕􏲊􏲆􏱾 􏰟􏲐􏰻􏰔􏰪􏰄􏲇􏲚􏲛􏲜􏱾􏰇􏲂􏲃􏰌􏰲􏱷􏱌􏱄􏲍􏰔􏲎􏲏􏲐􏲑􏲒􏲓􏲔􏲆􏲕􏲊􏲆􏱾 􏰟􏲐􏰻􏰔􏰪􏰄􏲇􏲚

 

6月18日 知事記者会見 秋葉原の無差別殺傷事件を受け、事件に使用されたダガーナイフを国に先んじて6月30日付で有害玩具類に指定。なお刃渡り5.5cm以上の剣(ダガーナイフ等)を所持禁止とする改正銃刀法は同年11月28日に成立。2009年1月5日施行。

 

2011年(平成23年)

7月1日 条例改正 青少年に急速に普及した携帯電話の利用により、青少年がインターネット上に氾濫する有害な情報に触れる機会が増大したことに伴い、これらの有害な情報から青少年を保護するための措置を講ずるとともに、現に監護し、又は保護する青少年を深夜に外出させない努力義務規定を設ける等青少年の健全な育成に資する環境の形成を図るため所要の改正。

 

2012年(平成24年)

8月10日 知事記者会見 相次ぐ脱法ハーブ事件を踏まえ、9月議会で脱法ハーブのようなものが書かれた本や興行の販売や自主規制を行うため青少年健全育成条例の一部を改正する議案を提出することを目指す旨の発言。同年10月19日公布。

 

2013年(平成25年)

1月1日 条例改正 脱法ハーブ等薬物販売が社会問題化していることを鑑み、これら薬物の不正使用を誘発する図書類の販売等を自主規制の対象とする所要の改正。

3月26日 条例制定 青少年健全育成の立場から薬物濫用を誘発する図書類の青少年への販売・貸付等を規制。併せて「鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例」を新たに制定。図書類を販売する事業者は同条例第2条に規定されている薬物を青少年が使用することをあおり、唆し、又は助け、その健全な成長を阻害するおそれのある図書類の販売を青少年に販売等しないよう努めなければならない。

 

2014年(平成26年)

1月1日 条例改正 同改正条例施行。薬物の不正使用を誘発する図書類の販売等は自主規制の対象となる。

 

5月21日 知事記者会見 6月議会で条例改正案の上程を検討している旨を発表。県民の参画電子アンケートによれば半数以上が改正に肯定的であり、概ね賛成のものも含めると8割が改正に肯定的であったとのこと。タブレット端末、ゲーム機器、音楽プレーヤーなどがインターネットに接続できるため、異論が出なければ保護者に対しペアレンタルコントロールを呼びかけるような条例の改正を行いたい趣旨の発言。

 

7月11日 知事記者会見 青少年健全育成条例にペアレンタルコントロールの導入をした点について「全国でも馴染みのない条例」と発言。

 

10月1日  条例改正 インターネット接続する機能を有するゲーム機やSNSが広まり、インターネットにおいて有害情報の流通、個人情報の流出、他人の中傷等の問題が生じていることに鑑み、青少年が安心してインターネットを利用できるよう、保護者による青少年のインターネットの利用の管理を適切に行うよう努めることなどについて、所要の改正。

 

10月17日 条例改正 危険ドラッグの使用による事故が全国で多発していることに鑑み、危険ドラッグの販売、使用等に対する規制を強化するため「鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例」が一部改正されたことによる本条例の規定の整備。 薬事法の法律名の変更による改正規定は、平成26年11月25日施行。


2018年 条例改正

3月27日 18歳未満へのフィルタリング提供などを義務付けた「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」に伴う一部改正。

 

2019年 県議会知事答弁

12月6日(不登校等の子供たち、有職・無職少年、高校中退者等学校のレールから外れてしまった青少年に対するSNSの危険性の周知に関する質問について)


 確かに厄介な話でありまして、もう一段何か工夫が必要なのかなというふうにも思います。本県の場合は、特にPTAの皆様が結構運動を起こされまして、一時期、メディアリテラシーということを標榜されました、あるいはメディアスタートということをされたり。これに私どもも応えながら、実は制度のほうは順次つくり上げてきた面があります。それは青少年健全育成条例の改定でございますけれども、平成19年にそういうメディアリテラシーに配慮をして、それで、さっきお話のあったフィルタリング、これを努力義務化することから始めまして、その後、それをさらに事業者のほうに説明義務をつけるとか、また、ペアレンタルコントロール、これを平成26年度導入するということで、保護者の努力義務や事業者の協力義務ということを入れたりしました。また、平成30年には、販売時からもうフィルタリングをしなさいというのを原則とするように、これは健全育成条例、鳥取県独自の規制としてさせていただいています。それで、フィルタリングは一定程度広がっているのですけれども、まだ4割ぐらいというのが現状でございまして、若干足踏みをしている感もございます。ですから、いま一度こういう青少年健全育成に関連する団体や学校や警察などと協力しながら、そういうフィルタリング等の有効性や大切さというのも訴えかけていかなければならないと思いますので、そういうキャンペーンを一つはやるのかなということです。

 

※参考…鳥取県知事定例記者会見(2007年〜2022年)、鳥取県議会議事録、鳥取県公報など

 

 

 

■ボーガン有害玩具指定→ネット販売規制の時系列を振り返る

 

2020年6月4日、兵庫県宝塚市で男女4人がボーガンのようなもので撃たれ3人が死亡した宝塚ボーガン事件を受け、事件発生翌日の6月5日、兵庫県はボーガン(クロスボウ)を有害玩具類に緊急指定しました。

以下は指定された県の一部ですが、事件が起きた2020年だけで新たに15の都道府県で有害玩具類に指定されています。

ちなみにボーガンとはクロスボウの和製英語。ここでは便宜上ボーガン(クロスボウ)とします。

※参考…都道府県におけるクロスボウ(ボウガン)の有害玩具等指定状況、令和2年度大阪府参考資料

 

 

6月4日 事件発生 兵庫県宝塚市でボーガン(クロスボウ)による殺傷事件発生。

6月5日 有害指定 兵庫県がボーガン(クロスボウ)を有害玩具類として緊急指定。

6月6日 総理記者会見 菅総理が記者会見でボーガン(クロスボウ)への規制検討を発表。

6月15日 有害指定 兵庫県の隣県である岡山県もボーガン(クロスボウ)を有害玩具に指定。

7月26日 事件発生 兵庫県神戸市で妻が夫をボーガン(クロスボウ)で撃つ殺人未遂事件が発生。

7月31日 有害指定 鳥取県でボーガン(クロスボウ)を有害がん具類に指定。

8月5日 有害指定 福井県がボーガン(クロスボウ)を有害玩具刃物類に指定。所持以外に未成年にネットで販売した場合でも罰則。

9月1日 事件発生 長野県長野市で無職女性が自宅を訪れた民生委員に対しボーガン(クロスボウ)で怪我をさせる殺人未遂事件が発生。

9月29日 県議会 川部洋県議(自民)が青少年健全育成条例について一般質問。

10月6日 会議 鳥取県警による「鳥取県サイバーテロ 対策協議会第10回総会」を開催。

10月8日 県議会 青少年健全育成条例の改正が全会一致で成立

10月13日 条例改正 改正後の鳥取県青少年健全育成条例が公布され、有害図書類または有玩具類に関する販売に対する規則に関しては同日施行。児童ポルノ被害(自画撮り被害)に関する新たな規則は2021年1月1日より施行。

有害図書類の団体指定にはCERO、ソフ倫、映倫等5団体が審査し、審査済表示が印刷または貼付されたゲームソフトやメディアも有害図書類となる。(有害図書類の包括指定・団体指定について)

このため書籍の他にゲームソフト等もインターネットを通じて販売した場合も罰則の対象となる。

 

12月17日 情報発表 警察庁がボーガン(クロスボウ)を許可制とし不法所持には罰則を設ける方向で銃刀法改正の検討を発表。

 

 

兵庫県のように、鳥取県も「青少年条例の改正」ではなく、届出制度を含んだ条例を新たに作った方が良い。
ボウガンで犯罪を起こすリスクがあるのは18歳未満の青少年だけではないのだから。https://t.co/GjkmuEwLwk

— くりした善行 🌰 参議院全国比例/コミティア141「て48b」 (@zkurishi) October 5, 2020

 

10月に行われた鳥取県での青少年条例改正も、ボーガン販売規制を名目にして行われましたが、これで、オマケ扱いだった有害図書のネット販売規制だけが残ることに。 https://t.co/IrIhaRF3Y3

— くりした善行 🌰 参議院全国比例/コミティア141「て48b」 (@zkurishi) December 17, 2020

 

後は・・全国に対して胸を張って説明できない販売制限を鳥取県内の青少年に対してだけ行う正義ってあるんだろうかと個人的には思います。

— くりした善行 🌰 参議院全国比例/コミティア141「て48b」 (@zkurishi) September 7, 2022

 

 

2021年

6月8日 法改正 ボーガン(クロスボウ)を許可制とする改正銃刀法が成立。スポーツや動物麻酔など一定の用途のために所持する場合には都道府県公安委員会の許可が必要。

7月21日 情報発表 令和3年警察白書が発表。特集4「クロスボウの規制に向けた警察庁の取組」によれば、「平成22年から令和2年までの間に検挙した、クロスボウが使用された事件37件の詳細について分析したところ、詳細が判明した事件においては、被疑者の多くがインターネットを介してクロスボウを入手していた」と掲載。

 

2022年

1月17日 有害指定 令和3年度第1回鳥取県青少年問題協議会有害図書類指定審査部会を開催。委員には自由に判断してもらうため、当日は具体的な指定判断理由などの発言は求められなかった。(ニュースより)

2月4日 有害指定 鳥取県にて書籍等9冊が有害図書指定される。今回鳥取県で有害図書指定された書籍がAmazonで販売停止に。

3月3日 有害指定 鳥取県にて有害図書指定された9冊のうち3冊を発行している三才ブックスがAmazonに質問状を送付。

3月15日 法改正 改正銃刀法が施行。9月14日に全国都道府県警によるボーガン(クロスボウ)の無償回収期間終了。9月15日以降に届け出をせず所持している場合には罰則。

3月21日 有害指定 Amazonから三才ブックスに回答。「アダルトメディア商品に関するガイドライン」出品禁止商品例内にて、各自治体青少年条例によって指定された図書およびそのシリーズはAmazon独自の裁量により削除する旨を定めているとの回答。しかし三才ブックス発行で有害図書指定された書籍はいずれも分類としてはアダルトメディアではない。全年齢向けではなく18禁としての再販も断られる。

 

なおAmazon販売者向け「各ストアにおける商品登録に関する注意事項」によると、アダルト・残虐性等表現のカテゴリ関係なく東京都で不健全図書指定された作品は商品登録ができないことになっている。

 

6月22日 選挙 参議院選挙告示日

7月8日 事件発生 参議院選挙にて、候補者の応援演説をしていた安倍晋三元総理が銃撃される事件が発生。実行犯がネットで動画を参考に銃を自作したと供述していることが明らかになる。

8月26日 情報発表 三才ブックス公式HPにて8月24日発売「ラジオライフ」10月号の記事「鳥取県に有害図書指定の理由を聞いてみた」の全文を掲載。

 

 

■知事は「できる限り説明責任を果たす」とのこと

 

9月1日 知事記者会見 有害図書指定の判断についてできる限り説明責任を果たすと発言した。背景には2020年にボーガン(クロスボウ)を有害玩具類に指定しのネット販売を規制したことについても言及。吹き矢やボーガン的なものの作り方やネットによる入手経路等を青少年に見せても良いのかどうかということや、有識者の判断には疑問はなく、現物も見た上で妥当な判断と発言。

 

9月3日 情報発表 警察庁が銃や爆発物製造に関するネット上の書き込みやサイトを「有害情報」として扱い、削除を要請するなど対策を強化する方針を発表。

 

9月8日 県記者会見 有害図書に指定した理由を県側が発表。三才ブックスの3冊については「ピッキング方法」「吹き矢製造方法」「つまようじクロスボウ」などを示しているページがあることや、その他青少年の粗暴性・残虐性・性的感情を刺激することなどが有害図書指定基準に該当するとしている。有害図書指定された書籍のネット販売停止につき波紋を広げたことについては、「判断理由の説明をもう少し詳しくするべきだった」との認識。

「有害図書」指定について県が理由を説明 鳥取県 出版社「多くの識者や研究者や専門家に聞いて議論を深められれば」(日本海テレビ) - Yahoo!ニュース鳥取県が今年2月、「有害図書」に指定した3冊の書籍。 大手通販サイトで販売停止など波紋を広げている。 これを受け、鳥取県は9月8日有害図書に指定した理由を報道陣に説明した。 「アリエナイ工作事典リンクnews.yahoo.co.jp

 

鳥取県の有害図書がAmazonで販売中止になった件。今日、鳥取県から指定の判断理由が公表されましたが「青少年の粗暴性や残虐性を誘発・助長」「青少年の性的感情を刺激」と見慣れた青少年条例の定型文が並ぶ。皆が求めていた説明はこのレベルではない。最も大きな問題は(続https://t.co/TSo8VV1h7k

— くりした善行 🌰 参議院全国比例/コミティア141「て48b」 (@zkurishi) September 8, 2022

 

今後も鳥取県で有害図書指定を受ければAmazonで販売中止になるということ。平井県知事は「鳥取県だけ販売制限してくれない事業者側に問題がある」と言っているが条例改正に問題は無かったか。今後、この様な萎縮が解けるよう方針を改めてほしい。 pic.twitter.com/K1UxvDULP8

— くりした善行 🌰 参議院全国比例/コミティア141「て48b」 (@zkurishi) September 8, 2022

 

 

引き続き動きがあり次第、お伝えしていきます。