こんばんは。都議の栗下です。

 


様々応援頂いていた都議会一般質問が終わりました。

いくつかのテーマを取り上げましたが、このブログでも重ねて伝えてきた、また圧倒的なエネルギー量を注いできた東京ビッグサイト問題についてまずご報告したいと思います。

 

最初に、今回の質疑の最大の成果は、新型コロナによるキャンセル時の会場費返還を再び行うことを答弁したことです。9月までに中止を決定できなかったイベントについては、会場費返還は行われておらず、同人誌即売会を含む多くのイベント事業者はキャンセル料返還の再開を希望していました

 

ホップ・ステップ・ジャンプの三段構成で質疑について簡単に解説したいと思います。(発言と答弁は最後に記載します。)

 

◾️ホップ:成功

台風などで計画運休になった時の会場費の返還

昨年の台風19号で、大型イベントが中止になった際に、会場費が返還されなかったという事象をもとに、ちょうど一年前に行った質疑の続きです。昨年は「東京ビッグサイトは株式会社だから(でも外郭団体なのですが)都から影響を及ぼせない」という頑なな対応でしたが、安全確保は都の責務であるということをしつこく伝えた結果、180度対応を改めることとなりました。

 

◾️ステップ:成功

新型コロナで中止となったイベントへの会場費返還

今回の最大の成果。

今回の感染症の再拡大を考慮し、今後イベント中止の申し出があった場合の施設使用料の返還についても、実施する方向で現在検討していると聞いている」という答弁。

「検討」は都庁話法で「やります」ということ。つまり、明確に行っていくという旨の答弁がありました。「~と聞いている」というのは、東京都は株式会社である東京ビッグサイトに影響を及ぼせないという大人の事情によるもの。今後できる限り早く対応がスタートされる予定となっています。

 

◾️ジャンプ:!?

大阪や名古屋で行われている会場費50%減免

私も過日の委員会質疑等でもしつこく求め、先日の同人誌即売会連絡会の皆様から頂いた要望書の筆頭にも挙がっていた項目。

小池知事に対して、

「大阪市では松井市長が決断した」

「名古屋市では河村市長が決断した」

「東京も小池知事の決断が必要だ!」

と気合を込めて知事の方を向いて迫りましたが、私の顔を見て頂けませんでした・・(残念)。これには深い意味がある様な気がします。実現に向けての課題も感じましたが、今後も諦めずに求めていきたいと思っています。

 

以上、取り急ぎの報告になりますが、これまでびくともしなかったキャンセル料返還の実現が一般質問の場で示されたことは、ひとえにこの問題に関心を寄せられる多くの方々の視線が注がれた結果だと思っています。この間を振り返ってみても、議員一人の力では絶対できません・・・。

 

やはり、民意こそ力、これからも皆様とのコミュニケーションの中で、課題解決に取り組んでいきたいと思っています。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。



- - 

(以下、実際の質問と答弁)

まず初めに東京ビッグサイトについて質問します。

〇今からちょうど一年前、昨年の第四回定例会、この場所で行なった一般質問の中で、台風19号が上陸した際、交通機関が計画運休を行い、都も不要不急の外出を避けるよう呼びかけたにもかかわらず、東京ビッグサイトで中止したイベントのために、数千万円にのぼる会場費を払わなくてはならなかった中小事業者のお話を取り上げ、イベント参加者の安全を最優先した判断ができるよう改善を求めてまいりました。

Q.1
 あれから一年が経ちました。まず改めて、台風などで計画運休となった際の東京ビッグサイトにおける会場費の返還について方針をお伺いいたします。

 

A.1(産業労働局長)

東京ビッグサイトでは、近年、台風等の被害が拡大していることから、都内に大雨や暴風などの特別警報が発表され、かつ公共交通機関の計画運休が実施された場合には、通常は徴収しているキャンセル料を徴収しない取り扱いをすることとしたと聞いている。来場者の安全確保を最優先に、主催者がイベント等を運営できる支援を行っていくこととしております。



〇会場費の問題は、本年さらに深刻になってイベント事業者にのしかかっています。

〇新型コロナの影響で、中止や規模縮小を余儀なくされるイベントが相次いでいる中、東京ビッグサイトは、イベントの中止を決定した際の会場費につき、今年度のイベント分については、返還を行うとしていますが、実態としては条件付きになっています。

〇緊急事態宣言が解除された直後の6月から9月にかけて、それぞれの事業者に対して意思確認を行い、その時に「イベントを中止する」と答えた事業者には返還しておりますが、一方で、その時に中止を決断できなかった事業者に対しては、その後に中止を余儀なくされた場合においても会場費は返還されないというのが現状です。

〇新型コロナの感染拡大動向を予測することは、誰にとっても不可能であり、昨年の台風の時と同様に、高額な会場費が足枷となり、イベント中止の判断を逡巡させる様なことがあれば、新型コロナ感染拡大予防の観点からも大きな問題であります。

〇そうしたことから、大阪市が誇る国際展示場・インテックス大阪や、名古屋市のポートメッセ名古屋等では、新型コロナの影響によって直前にキャンセルを余儀なくされた際にも、会場費を特別に返還する対応が取られており、私も過日の委員会質疑などを通じて、東京ビッグサイト等でも配慮をするよう求めてまいりました。

 

改めて質問します。
Q.2
 東京ビッグサイト等の会場において、新型コロナウイルスの影響で、直前に中止や規模の縮小を余儀なくされたイベントについても、会場費の返還を行なっていくべきと考えますが、見解を伺います。

A.2(産業労働局長)

都が本年三月に策定した「新型コロナウイルス感染症に関連した都民利用施設等の対応についての考え方」では、イベント中止にあたって施設運営事業者が、主催者からすでに受け取っている施設使用料を返還するか否かは、事業者の経営責任に基づいて、自主的に判断することとしている。

東京ビッグサイトでは、9月までに感染症を理由とする中止の申し出がイベントについては施設使用料を返還している。

今回の感染症の再拡大を考慮し、今後イベント中止の申し出があった場合の施設使用料の返還についても、実施する方向で現在検討していると聞いている。



〇非常事態宣言解除後も、新型コロナの影響と会場利用制限によって多くのイベントが開催中止を余儀なくされ、今後も当面は大幅な規模縮小が見込まれる中、イベント産業とその関連企業はかつてない危機に直面しております。

〇会場が求めるガイドラインにある入場者数50%制限下においても、東京ビッグサイトをはじめとする都の会場では、会場費について減免等の措置が無く、据え置かれていることが事業者の大きな重荷になっているとの声があります。

〇大阪市・名古屋市では今年度いっぱい、インテックス大阪やポートメッセ名古屋をはじめとする大規模展示会場で、ガイドラインの制限に合わせて、会場費を50%減免する取り組みをすでにスタートさせ、多くの事業者のささえになっております。
大阪市においては松井一郎市長が、名古屋市においては川村たかし市長が決断し、市の予算を投入して実現しました。

東京でも小池知事の決断が必要です。


Q.3 
回復期も見据え、東京都においてもイベント主催者に寄り添った支援がますます重要になると考えますが、知事に見解を伺います。

A.3(小池知事)

新型コロナウイルス感染症は、都内経済に甚大な影響を及ぼしており、中小企業の生産や営業の活動は、様々な制約を受け、深刻な状況となっています。

中小企業の販路開拓の場である展示会が数多く開催されてきた東京ビッグサイトにおいても、これまでの間、感染症の影響によりイベントの中止や延期を余儀なくされております。

こうしたことから、東京ビッグサイトでは、主催者が安全かつ安心してイベントをかいさいできるよう、サーモグラフィなど感染防止対策に必要な器具の貸し出しを行うほか、感染症を理由にイベントを中止する場合には施設使用料を返還する対応を実施しております。

ウィズ・コロナの状況において、製品などに実際に触れることのできるリアルの展示会に加え、時間や場所を選ばないバーチャルも活用し、中小企業の支援に取り組んで参ります。

こうした取り組みとともに、東京ビッグサイトに対して、コロナ禍という厳しい状況を十分に踏まえ、主催者に寄り添った対応を行うよう働きかけて参ります。