こんばんは。都議の栗下です。

 

 

本日11月3日はアメリカ大統領選挙の投票日です。

(日本時間では4日午前から開票)

トランプ大統領の続投か、バイデン新大統領の誕生か。

日本だけでなく世界にも大きな影響を与える選挙です。

 

さて、アメリカといえば自由の国である一方で、銃問題も抱えており、銃にまつわる事件が後を経ちません。

銃乱射事件の背景には暴力的なゲームが影響しているというのがトランプ大統領と共和党の多くの議員の主張です。

 

 

 

「ビデオゲームの暴力性と賛美は止めなければならないー

それらはモンスターを生み出している!」

 

 

■トランプ大統領はゲーム規制推進派?

 

トランプ大統領はゲーム規制に関してもたびたび発言してきました。

2018年2月に起こったフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を受け、ゲーム会社と非公開の会談を行いゲームの暴力的なシーンを集めた動画に

「これは暴力的ではないか?」と問いかけ、ゲーム規制について議論したそうです。

 

2019年8月3日、テキサス州のスーパーウォルマートで20第白人男性が銃を乱射し買い物客20人以上が死亡、26人が重軽傷を負った銃乱射事件。犯行直前、犯人は掲示板8chanに移民への嫌悪感に加え人気FPSゲーム「Call of Duty」に影響されていると書き込みました。

 

 

 

これを受けての大統領の会見では

 

 

 

We must stop the glorification of violence in our society.

This includes the gruesome and grisly video games that are now commonplace. 

It is too easy today for troubled youth to surround themselves with a culture that celebrates violence. We must stop or substantially reduce this, and it has to begin immediately.

 

「社会において暴力を賛美するのをやめなければならない。これらにはゾッとするような恐ろしい暴力的なゲームも含まれる。今や当たり前となった、問題のある若者が暴力を賛美する文化に囲まれるのは簡単である。われわれはこれを直ちに規制するか削除する必要がある。」

 

 

会見ではゲームを規制する必要があるとはっきり述べています。

これに続き共和党(トランプ大統領側)のテキサス州副知事も「ゲームは若者に人の殺し方を教えている」と述べました。

 

 

■一方民主党は・・・

 

なぜこのように「銃乱射事件=ゲームの影響」という図式を打ち出すのか、共和党は銃を推進する全米ライフル協会との結びつきが強いためではないかと言われています

 

一方、民主党のヒラリー氏は銃の方を規制すべきだと発言しています。

このような銃乱射事件=ゲームの影響と結びつける共和党の姿勢に対して

 

 

「他の国でも精神疾患を持つ人はいるし、ゲームも全世界で遊ばれている。違いを生むのは銃である。」

 

これにリプライしている人々は

 

「日本は銃がなく、ゲーム大国でもあるけど

このような悲しい事件はない」とコメントしている人も多く見られます。

こうした銃乱射事件とゲームの影響の有無について、

#VideogamesAreNotToBlame 

というタグも作られています。

 

 

■ゲーム実況を活用する米議員たち

 

以上、ゲームにおける暴力表現へのスタンスについて比較してきましたが、共和党・民主党ともに、ゲームの影響力は重大と捉えているようです。

 

トランプ大統領は大統領選に向けてゲーム実況サービス「Twich」に参加して演説の配信をしました。現在は規約違反でチャンネルが停止されています。

 

大統領選から撤退してしまったサンダース氏もTwich公式チャンネルを活用していました。

今回の大統領候補バイデン氏もTwichにチャンネルを持っていて、あつ森に選挙本部を開設していました。

 

 

ウェイトレス出身議員でAOCの愛称で知られるオカシオコルテス民主党下院議員も人狼ゲーム「Among Us」をTwichで実況し、26万人のフォロワーを獲得。これに乗じてイルハン・オマル下院議員もガンダムをプロフィール画像にしたチャンネルを開設しました。

 

 

 

 以上、「ゲームの中の暴力表現」というごく限られた範囲ですが、トランプ大統領の姿勢はかなりはっきり示されているのでお伝えしました。

 

今やゲームは国境を跨いだ産業であり、アメリカ発のゲームも年々増えてきている印象があります。アメリカにおける表現規制の基準は、ゆくゆくは日本国内においても影響を与える可能性が高いです

海外の動向にも注視していきたいと思います。