こんばんは。都議の栗下です。
本日の都内におけるコロナの新規感染者数は39名。昨日も二桁にもどり、数が減っているように思えますが月曜は持ち込まれる検体の数が少ないことから数字が低く出ているのはこれまでも同じ。目前に迫った連休がコロナ感染拡大に歯止めがかかるか否かの大きなターニングポイントになります。正直自分自身コロナ疲れを感じていないと言えば嘘になりますが、本年はずっと家で過ごそうと思っています。

さて、本日は先週可決された補正予算で行われるコロナ対策の紹介第三弾として、イベントの開催がままならないことから現在大変厳しい環境にある「アーティスト」の方々を支援する取り組みについてお伝えします。


■ 「アートにエールを!東京プロジェクト」

プロとして芸術文化活動に携わるアーティスト、クリエイター、スタッフの方々から、自由な発想を基にした動画作品(5〜10分程度)を募集し、専用サイトで配信します。動画作品を制作した方々には、出演料相当として一人当たり10万円(税込)を支払います(1作品につき上限100万)。

対象の分野は:音楽、演劇、舞踊、美術、映像、写真、伝統芸能、複合(核となる分野を特定できない芸術活動)等、となっています。その他、トークや作品の読み上げ、アニメーションなども例として記載されており、趣旨としてはあらゆる「アート」が含まれると解釈してよいでしょう。「プロ」というのは過去1年間にわたり芸術文化活動で生計を立てている者と定義されており、これに関しては正直なところ、緩和し、より幅広い都民から応募を募れるようにすべきだったのではと思っています。

詳細については、上記のURLについてご覧頂ければ。
5月15日〜5月31日の間に個人登録をし、5月20日〜6月12日にかけて作品応募を受け付けし、審査を行うそうです。

私が一つ懸念しているのは、行政として芸術の「枠」をどこまで広げられるのかということです。ホームページの例に載っているのは、いかにもお役所的な「芸術」であり、世間で多くの方々の話題になる、関心を呼ぶものとは大きなギャップが生まれるのではないか(特に動画という形式になるとその差がはっきりしてしまう)と危惧しています。つまり動画サイトを作ったのはいいけれど、お堅いものばかりで、都民には殆ど見られませんでした。ということになってしまうとしたら残念だということです。

また、行政的な価値観が作品の内容に影響するようでは本末転倒です。近年で言うと助成金の不交付をカードに作品の内容に介入した「宮本から君へ」訴訟などが示す通り、出演料の交付・不交付が作品の内容に影響を及ぼすことがあるとすればそれは表現の自由を奪うことに繋がりかねません。審査には中立性が求められることになるでしょう。

趣旨通り、アーティストの方々が持てる力を発揮できるよう、これらの点については引き続き注視していきたいと思っています。