こんばんは。都議の栗下です。

本日から都議会予算委員会の質疑がスタートしました。今回私は委員では無いのですが、私が取り組んできた問題を、都民ファーストの会の質疑で扱ってくれるということもあり、応援へ。

その問題とは、コロナウイルスによる中止イベントに対し会場費の扱いをどのようにしていくのかという問題です。これについては先日ツイッターで取り上げたところ多くの方々からご意見いただきました。


質疑の結果は以下。

■質問
新型コロナウイルス感染症の拡大による今回の事態は大きな影響を及ぼす状況となっているが、都所有の施設である東京国際フォーラム及び東京ビッグサイトでは、中止判断をした主催者にかかる施設使用料についてどのように取り扱うのか?
■産業労働局長答弁
・今般、東京国際フォーラム及びビッグサイトでは、他の都民利用施設等における施設利用料の取り扱いにかかる都の方針も踏まえ、本年2月22日から3月15日迄の期間に予定していた催事を対象に、開催を取りやめる判断をした主催者に対して既に支払われている施設使用料を返還する対応を行うこととした。なお、当該期間以降の催事については現在検討中と聞いている。

先週時点ではまだ決定されていませんでしたが、本日初めて最終的に2月22日から3月15日までの会場費については返還する方針が示されました!

中止・延期されたイベント1件あたりの会場費は数百万円〜数千万円にのぼり、この期間中のものだけでも総額は2億円を優に上回る金額でした。依然、イベント中止による中小企業のダメージは大きいですが、イベンターの心配を一つ減らす事ができたのかなと感じています。


【イベント中止による会費返還問題】

私がこの問題について注視してきたのは昨年台風19号によって、イベント開催を余儀なくされた企業さんから悲痛な声が寄せられたためです。
台風が関東地方を直撃した10月12日、交通機関も計画運休が発表され、東京ビッグサイトと国際フォーラムで予定されていた全てのイベントを中止となりました。しかし、これらのイベントにも数百万円〜数千万円の会場費が通常通り請求されたのです。

私が相談を受けた企業はイベント中止自体の損害に加え、2000万円以上の会場費を支払わなくてはなりませんでした。
規約では「災害等で施設が利用不可能となった時」は払い戻しと明記されていましたが、会場側は「利用不可能というのは会場が損壊するなどした場合」とし、取り合わなかったのです。

調査を進める内に、イベント中止の直前に「安全のために中止をしてほしい」と主催者に対して東京都も会場を通じて主催者に働きかけていたという経緯も明らかになってきました。台風が接近した数日前から小池都知事が先頭に立ち不要不急の外出を控えるよう呼び掛けるなどしていたので、それ自体は理解できますが、中止をお願いする一方で会場費はしっかり取る(しかも一企業の存続を左右するような金額)という対応に、私は大きな疑問を感じていました。

災害時に迅速に中止の判断を取れる事は都民の安全にも繋がります。
これらの都施設の規約見直しも含めて提案しましたが、その際障壁になったのはビッグサイトや国際フォーラムは東京都の直営では無いという点でした。

両施設は、都の持ち物ではあるものの、株式会社の形をとった外郭団体が管理運営を行ってきました。
「管理運営は彼らに任せているから、都としては経営判断に介入する立場にない」という言い分です。
しかし、これらの団体は東京都からも税金を投入している半官半民の企業であり、その経営陣は実際的には都庁OBの方々が就任しています。
これらの団体に対する東京都の指導力が弱すぎるという事は包括外部監査でも指摘をされています。「中小企業を支える」という両施設の本来の目的を果たすため、東京都が強力なリーダーシップを取るようにという事を再三求めてきました。

今年に入って、両施設における規約変更の兆しがあるという噂も聞いていたのですが、その最中に今回の新型コロナウイルスの問題が起こることとなりました。

【まだ問題は残っている】

本日答弁としてでてきたのは「2月22日から3月15日迄のイベントへの返金」です。当該期間以外にも中止イベントは出ており、いずれもコロナによる影響によって中止されたのは明白です。個人的には中小企業への負担を鑑みて、これらも返金の対象とすべきだと思っていますが、まだ決定し切れていないようです。

中小企業に寄り添うために東京都の強力なリーダシップが求められています。この点については引き続き求めていきたいと思います。