Wikipediaより 

 

平昌オリンピックも大分盛り上がってきた。

開会式リハーサルで懸念されたボランティア環境の問題が表面化することもなかった模様。

 

個人的には、レジェンド・葛西紀明選手が堂々と旗手を務めていたのが開会式のハイライトだった。

 

しかし、現地に行った同僚から話を聞くところによれば、開会式が終わり、帰路に着こうとした際、観衆シャトルバスに乗る人の列が延々と並んでいたとのこと。

 

そして、バスに乗ることはできても、着いた駅では電車が終了したという無情なアナウンス。

雪は降らないが氷点下の平昌、宿に向かう手段がなくなってしまった人もいたそうな。

成否を決める輸送対策

もう、少し昔のことになってしまったが、

2013年の流行語にもなった「おもてなし」

その一つとして、安全でスムーズな輸送対策は極めて重要だ。

 

対策を講じなければ、首都高の渋滞で無駄になる時間が180%も増えるという試算があるという。

東京都は平昌での輸送における失敗の教訓から、大いに学ばなくてはならない。

 

東京都オリンピック・パラリンピック準備局 東京2020大会の交通マネジメントに関する提言より

 

この交通問題においては、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックが成功例だ。

 

ロンドンでも日常の日常の一コマとなっている、

交通渋滞や満員電車。

2012年の大会開催時に予想される混雑・混乱を避けるため、移動に関する呼びかけを行い、満員電車の解消に向けて運賃システムを見直した。

 

その結果、

ストレスの少ない円滑な交通状況を生み出すことができたのは

ロンドンにおける観光需要と普段からの混雑がぶつかり合うことがないような対策を講じたからだ。

同様に日本でも、大会開催の特に混雑する日にちに「海の日」や「体育の日」を移動させることにより、

交通量を減らそうということも検討されている。

 

多言語対応の必要性

 

また、平昌では外国人の受け入れ態勢が万全ではなかったという指摘が多い。

英語で話しかけたがボランティアスタッフが、

十分に対応してくれなかったとの体験談もあった。

平昌郡はリゾート地、平常時でも海外から人の出入りがあり、

外国語の堪能な人材は多いとのふれこみだったが、

オリンピック・パラリンピックという膨大な需要には、

まだまだ足らなかったのだろうか。

 

東京オリンピック・パラリンピックでは、

8万人のボランティアスタッフを集めるということで既に募集を行い

交通費すら支給されないにもかかわらず、20万人を超える応募が有った。

 

「外国語が話せる」ということも応募条件の一つになっているが、

そういった方々の力をフルに活かすためにも具体的な工夫が必要になってくる。

 

東京都オリンピック・パラリンピック準備局 2020年に向けた東京都の取組より

 

2016年のリオでは、オリンピック開催をきっかけに

翻訳アプリ「VoiceTra(ボイストラ)」を普及させる試みがあった。

多言語対応に関しては、人的リソースだけではなくテクノロジーによる部分も大きい理由だ。

 

実際にスマートフォンを使ったアプリは外国人観光客との意思疎通の助けになった。

テクノロジーが日進月歩で進化する昨今、2020年にはアプリによる翻訳精度も格段に高まるはずだ。

ボランティアスタッフの言語スキルと最先端のアプリケーションをうまく組み合わせることも、満足度向上の大きなカギになる。

 

 

 

今大会の教訓を東京大会へと活かす。

これはオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、

国・東京都の役割、そして行政には指摘できない部分を正すのは特に議員の役割である。

今後も情報をしっかり集めて2020年東京大会をよりよいものにしたい。

 

 

平昌五輪も折り返しの8日目、

今日は今大会日本人初の金メダル獲得への大きな期待を背負った羽生結弦選手が、ショートプログラムで完璧といっても過言ではない素晴らしい演技を見せてくれた。

ちょっとした失敗が命取りになるフィギュアスケートで、

多くの国民の期待を背負って2連覇に挑む23歳。

想像を絶するプレッシャーもあるはずだが、なんとも頼もしい。

フリー演技でも、その実力が100%発揮できるよう、ささやかながら私も応援したいと思う。