日の7月1日で今回の都議会定例会は閉会される見込みですが、ふと前定例会の最終日、3月11日のことを思い出しました。この日は残念ながら、都議会における議席配分が逆転するきっかけとなった日でした。



第一定例会で審議される予算案の中には、我々が反対をしていた築地市場の移転に関する費用も含まれており、当初、移転に反対する会派が力を合わせれば、一人の差で予算を否決することができたはずでした。しかし直前になって、世田谷区の花輪ともふみ議員が会派を離脱して予算に賛成すると言いだしたのです。花輪議員は築地市場移転反対の急先鋒として築地市場に関する特別委員会の委員長もつとめていました。



定例会最終日の3月11日、花輪議員は本会議場に自民党議員に連れられて入場、一時騒然としました。「まだ、戻れますよ!。」私も花輪議員に向けて叫びましたが、残念ながらその声は届くことがありませんでした。かくして予算は成立するとともに、非自公勢力は過半数を失うこととなりました。



4月に行われた世田谷区長選挙。そこには自民党推薦で立候補する花輪さんの姿がありました。選挙ポスターではあれほど戦ってきた石原知事と握手で都政との連携をアピール。しかし、心なしか石原知事の目には力がなくうつろに見えました。選挙は自民党の候補が二分する中、反原発を掲げる保坂展人氏が勝利。



この世界の厳しさと無情さを物語るエピソードですが、震災に遮られてあまり報じられることが有りませんでした。今定例会においては、自公の反対で「新銀行東京に関する特別委員会」が閉じられる、又都議会民主党が出した省エネ条例案も質疑も行われずに否決されることが予想されています。いずれも過半数の力のなせる業です。



厳しい状況ですが、都民との約束を守るために、これまでとは違った方法も含めて力を尽くしていく他ありません。