明日から新国立劇場で上演される舞台、

カリギュラのゲネプロを観てきました。







無垢の中からこそ本物の狂気は生まれるのだと知りました。
だからこそ、この菅田将暉という俳優はこの先どんな者にもなることができる、とも。


こんなに禍々しく神々しい登場をこれまで観たことがありません。

カリギュラという、最愛の妹を亡くしたことによって狂気の王へと変わり果てた男を演じる菅田将暉さんが舞台に姿を現した途端、
それまで客席にあった雑音はすべて消え去りました。

みんな、息をのんでいたのだと思います。


しばらくして気づきました。
舞台上の菅田将暉さんは、登場から目を真っ赤に腫らせて涙を流していました。

「僕が寝たら、誰が月を手に入れてくれるんだ?」

発する言葉が、心にストンと落ちてきます。
狂気を受け入れてしまう自分も、もしかしたら狂っているのかと錯覚してしまうくらい、まっすぐにそれらの言葉は心を支配していきました。

菅田さんは、カリギュラを演じようとはしていない、と思いました。
真っ白な心から生まれてくる言葉たちは、たしかに狂っていて、それでも真実の言葉として届くのは、菅田さんがカリギュラという役を飲み込んでいるからなんだと思いました。
演じているのではなく、カリギュラそのものが舞台上にいました。

狂気に支配された彼が舞台上に大粒の涙を降らせました。

その瞬間から、
最後舞台が闇に落ちるまで隅から隅までの観客がカリギュラの虜になっていたと思います。

舞台の上であれだけ自由にのびのびといられるなんて、うらやましい、とすら思いました。
そして到底そこには何者も到達できないんだろうということも分かりました。


美しい怪物、菅田将暉。



今日はゲネプロ。
明日からは隙間なくあの観客席は埋まることでしょう。

観客の熱気を受けて、あの怪演がこの先どこまで力を増していくのか。
楽しみで、最後の日の舞台を観られないのがすでに心苦しくあります。


最高の舞台でした。
この舞台を観られたことは一生の宝物になることでしょう。


終演後、
カーテンコールで、菅田将暉さんが菅田将暉さんに戻っていたのも印象的でした。
憑き物が落ちたかのような。
まさしく命を燃やして、菅田さんがカリギュラを憑依させていたというのが分かるような、そんな様子でした。


きっと、後世に語り継がれる舞台になるでしょう。
そして、菅田将暉さんという俳優が間違いなく歴史に残る俳優さんであるということを実感させられました。



ああ、今日は眠れるかな。
カリギュラ、万歳!






『カリギュラ』
作:アルベール・カミュ
翻訳:岩切正一郎
演出:栗山民也

出演:菅田将暉 高杉真宙 谷田歩 橋本淳 秋山菜津子 他

▼公演情報はこちら
https://horipro-stage.jp/stage/caligula2019/

◆公演日:2019年11月9日(土)~11月24日(日)
◆会場:新国立劇場 中劇場














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