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親知らずバスターズ日記5



出ました出ました出ましたよ!



トンカチ!例のトンカチ!




カンカンカンカーン!

割っているのは親知らず女王、ではなく、


あたしの上あごの骨……!



カンカンカンカーン!



ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃーん!



恐怖に震え、痛くはないけど涙が出る。


あんど、


その後、


ぬーけーなーい!ぬけなーいー!


と、手強い親知らず女王を抜こうと四苦八苦するリーダー。



武器(注意:道具)が入るように唇をひっぱるんですが、
それが痛いのなんの。


裂ける!裂ける!口裂け女になってまーう!!



これは痛みで涙が……!



前、作戦会議の時にこうなった場合の話をして、唇をひっぱるからまれに切れちゃう人がいる、というリーダーに、


「切れるのだけは!切れるのだけはご勘弁をー!」


と泣きついた経緯があり、
リーダー、今回わたしの唇に軟膏をちょいちょい塗りながら、できるだけ丁寧にやってくれてました。


その軟膏のおかげで外の唇はだいぶ楽だけど、
なんせ口の中の、唇の裏のところは相変わらず痛い。


わたしの口が裂けるのが先か。
女王が抜けるのが先か。


さあどっち!?



ともうわたしの脳が大混乱になってる所へ、


ぐぐっと


これまでにない感覚が。


親知らず女王が少し骨から顔を出してくれたらしい。


おおおおおー!ついに!



と、ここで、女王、最後の大抵抗。


「いいいいいいいたーーーーーーい!!!!」




なんと、


入念に麻酔をかけたのに、

まだ目覚めてる神経がいた。


ぐぐぐっ!!

その神経に追加で麻酔をして……


何回か麻酔をして……


やっとこさ、


やっとこさ!!




抜けたー!!!!




やったー!!!!




とリーダーと喜び合う元気はわたしにはその時はなく。
リーダーも削った骨の尖ってるところをヤスリで削ったりなんだりといった作業があり、

副リーダーからの、抜けましたよー!報告だけ聞いてわたしはほっ。としていた。




後で見た親知らず女王の立派だったこと。

こりゃあやすやすとは抜けないね。確かに。




つづく


#親知らず