京都大学フットサル部
全日本選手権京都大会、初戦は社会人1部リーグでも一位を独走するF.aspiration。
まだ今季公式戦でどこのチームにも負けたことがないチームです。
若いチームですが、僕が京都府選抜の監督としても重宝し戦力として使い続けたエースのハマダ筆頭にどこのチームも抑えられないような個人技術が極端に高いチーム。
試合はプラン通りにうまく進み、後半の途中まで4対1と3点差をつけゲームを進めた。
ほとんどのお客さんが3点差がついた時点でこのままもしかしたら京都大学が勝つのではないかと思ったはず。
ただ、僕は長くフットサルの選手として生活してきたのでこのままでは終わらないということを感じながら指揮を取っていた。
相手選手は社会人リーグ1位というプライドと経験値がある。
加えて、こちらの学生たちの経験値の低さや試合の流れを読む力一瞬の気の緩みから試合の流れが大きく変わる可能性があると思っていた。
案の定、3点差という安心からか集中力を欠いたプレーが後半の後半、数人の選手達から見え始める。
そこから個人のミスから一気に2失点。
一気に勢い付き、見ている観客も「もしかしたら」の空気に。
試合終了間際の30秒、20秒、10秒を切りラスト1秒、笛が鳴った後に相手選手が打ったシュートがゴールに決まり試合は大盛り上がり。
こちらのベンチから見ていて、先に笛が鳴っていたのは確認できていたのだが空気感と試合の盛り上がりの流れから審判の見る技術が低ければゴールという判定になっていてもおかしくないほどの僅差だった。
京都府のどこのチームがこの半年以上勝つ事が出来なかったF.aspirationに初戦で当たり何とか競り勝ち2回戦へ。
サテライトも出場していましたがフゴウ京都に0-4で敗戦。
2試合目までの間に僕が選手に話した事は
「試合は生き物なので、どんなに準備をしていても変化が起きる。試合中にその変化に対応する力がもっともっと必要。対応力も必要だし少しでも謙虚さがなくなったり一瞬の気の緩みが出ればたちまちに流れが変わり、劣勢に立つ事になるので試合の笛が鳴る最後の最後まで謙虚さや集中力を切るな。フットサルは特に連続失点しやすいスポーツなので失点した直後のケアはもっとしなければならない」と。
気を引き締め直して臨んだ2回戦のドッピエッタ戦。
「せっかく金星を上げてもこの試合に負ければ全く意味がないし、今日のスケジュールはこの試合を勝ちきって、それで1セット」と話しました。
経験豊富なドッピエッタの選手は先程のチームとスタイルが変わりフットサルの動きを熟知した上での攻防。
我慢強く試合を運び、コウタロウの半歩ズラしから強烈なシュートで1対0。
その後試合の終わりまで完璧なゲーム運びをしたものの、またしてもラスト1分を切ったところで個人のミスから失点。
PK戦へ突入し、さらにサドンデスまでもつれ込みスーパーセーブで勝利。
どちらも本当に厳しい戦いでしたが京都大学フットサル部、全日本選手権京都大会2連勝出来ました。
2試合ともが95%位まで完璧なゲーム運びをしてくれて、最後の最後にリスクマネジメントができず、窮地に立たされ運も味方しそれでも劇的勝利。
ほんとに監督としては疲れた試合でした。
昔選手時代に監督の鬼軍曹アドリアーノが気を抜いてゆるいプレーをした他の選手に試合後、僕の真横で鬼ギレしてた記憶がふと蘇った。
フットサルというのは、メンタル面の効果が本当によく現れるスポーツで、人間的な成長も一気にレベルアップできる素晴らしいものだと思います。
プロの世界だったら3点差がついていて残り5分を切っていたらワンプレーワンプレーのマネジメントは大きく変わります。
ドリブルを仕掛ける場所も、時間の使い方も
。
経験のない（勝てない）選手（チーム）ほど、どの時間でもどの場所でも同じプレー同じボールの持ち方、同じ雰囲気作り。
実は技術だけではなくそれ以外の部分が大きく結果に反映される事は経験値がある選手であればあるほど理解しています。
「上手い選手」とはそういう事です。
京都大学の凄かったところは全て勝ちきって終わったという所。
これは大きな糧になります。
競技志向でやってる以上、どれだけお客さんを楽しませても負ければ何も残らないし、勝ちながら修正できるチームと「あの時、この時、こうしとけば」と、いう集団では大きく違います。
著しく成長している京都大学フットサル部ではありますがこの経験値はさらに大きなものだと思います。
あとはこれを継続できるか。
そしてここからベスト8になりここからもまだ勝ちきるチームになれるのか。
それは試合当日までのそれぞれの過ごし方でまた大きく結果は変わってくると思います。
応援ありがとうございました。