宝塚大劇場で 月組公演『Eternal Voice 消え残る想い』ショー『Grande TAKARAZUKA 110!』
を見てきました。
宝塚歌劇ではトップスターが退団する公演では、千秋楽と前楽でサヨナラショーというのがついてきます。
チケット代金は同じで、おまけのショーがついてくるという貴重な公演が宝塚友の会で手に入ったので、喜んでいってきました。しかも席は
S席6列目という前の方でした。
前楽で、サヨナラショー付きというのは人生初観劇です。
(今まで、花組娘役トップスター桜乃彩音退団のサヨナラショーと、星組2番手だった涼紫央のは見たことがあります。)
観劇の前に、既に見た人のブログを見るとストーリーについていけなかったというものが多かったので、ちょっとお勉強しました。
英国王室の歴史を知っていれば、全然難しくなく、ストーリーもよくわかりました。
時期としては、エリザベス1世の時代からヴィクトリア女王の時代まで知っていれば。
それと、カトリック教徒が迫害を受けてきた歴史と、王室廃止論があることを知っていれば大丈夫。
それより、主人公であるユリウスもヒロインアデーラもどちらもすごい能力を持っていて、昔の人の遺品やゆかりの場所に行くことで、昔の出来事を思い出せるらしい。超能力?霊能力かな??
そちらのほうが変なんですが、呪術で人を病気にしたり殺したりできる、という発想はイギリスも日本も同じかも。今大河ドラマ『光る君へ』でもそういうシーンが多々あるし。
夫が亡くなって喪に服しているヴィクトリア女王も実は、呪いでうつ病にされていて、人民の前にでてこず、その頃は王室廃止論も高まっていて、裏で英国議員が王室廃止ともう一つカトリックを国教に復活させる陰謀があったというストーリーでした。
カトリックの国教復活にはローマ・カトリック教会も資金援助をしていたとか。
非業の死を遂げたメアリー・スチュアートの首飾りを手にしたことで、霊能力のある主人公とヒロインが、なんと、地面に埋められた心臓を発見する!そんな、、、ことある??
でも、メアリー・スチュアートの意思は心臓を発見させて供養してもらうことだけが目的ではなく、もう一つの目的は英国王室に対する復讐、と思わせて、実は争いをやめさせることだった!普通は復讐だと思うよね。
そこが意外すぎて、説明もさらっとセリフだったので、しっかり話を聞いてないとわかりにくいのかも。
それから、メアリー・スチュアートの遺品である首飾りを手に入れた霊媒師がついにメアリー・スチュアートを呼び出すシーン、赤いドレスの女性がメアリーなんだろうけど、その後、侍女と二人で会話するシーンではなぜか上に黒いローブを羽織っててて、ちょっとわかりにくいです。
その侍女の役割がそのシーンではわかりませんが、あとのシーンで実は海ちゃん演じるアデーラは侍女の子孫であったことが判明し、だからメアリー・スチュアートの処刑のシーンを覚えている、ということも明かされます。
ちゃんとストーリーが繋がってて、しっかりしたお話でした。
トップスターの退団公演ではトップさんが演出家を指名できるそうで、れいこ(月城かなと)さんが正塚先生を指名したのもなんかわかります。こういう作品に出たかったんだろうな、と。
ストーリーについての感想と覚書は以上。
あと覚えてることといえば、ちなつが痩せてました。相変わらずの舞台姿でセリフも聞き取りやすいし、足は長いし、次のトップになることに何の不安もない、と言いたいけど、頬がコケてしまってて、やっぱりトップの重圧なのかな?大空祐飛がやっぱりすごく痩せてしまったことを思い出しました。
次のトップ娘役に決まっている天紫珠李ちゃんは、なかなか強い女性役でした。敵に拉致されても果敢に立ち向かってるし。
宝塚の描く女性像が強くなってきてる印象です。正塚作品では女性は活躍しないイメージだったので。
霊媒師役の彩みちるちゃんのほうが役としては目立ってました。今後はヒロインより脇に回るのかもしれないけど、できれば娘役トップを二人にしてほしかったなぁ。
れいこさんが雪組から月組へ移動してくるにあたって、日本物の上手な人も移動させて、おかげで月組はずいぶん日本物が上手くなったと思います。その立役者がみちるちゃんであり、彩海せらちゃんなので。今回は霊媒兄弟でしたが。
せらちゃんは、メイクのせいかだいぶ印象が違いました。こちらはバウホール主演もしたし今後も活躍が期待できそう。トップへの道もひらけてると思います。
骨董屋のオーナー(主人公の叔父)ジェームズ役は専科の凛城きらのはずでしたが代役でした。でもとても上手かったと思います。
東京ではりんきらが復活するっぽいです。組長さんが挨拶で言ってたので。
月組組長の梨花ますみさんがヴィクトリア女王でした。
最後しか出てこないけど、主人公とヒロインに勲章を授けて、功績を称えるんですが、その勲章がガーター勲章というイギリスで最も栄誉ある勲章です。ここは王室の歴史を勉強してたおかげで分かりました。
イギリスの王室メンバーは肖像画を書かせるときはだいたいガーター勲章をつけてます。それぐらい栄誉なものなのでしょう。
舞台装置はシンプルですが、ずいぶん組み換えがあってそれがスムーズに動くのがすごい。
舞台上に映像の風景が映し出されたり、室内だと階段だったり、このあたりの技術が進んだなぁと思いました。
テーマは宝塚歌劇110周年。
というより、月組が全面に押し出されていて、黄色い月組カラーの衣装から始まり、曲も月をテーマにしてます。
トップ娘役の海ちゃんを中心にした娘役だけの銀橋シーンが有り、これは海ちゃんだからできるのかと思います。娘役だけど存在感がすごい。
チャピのようにバウホール主演とかやってほしかった。
他にも娘役だけの銀橋わたりがあったので、娘役の扱いが良くなってきて嬉しいです。
初舞台生のラインダンスもありました。
いつもより長く、迫力もあるように感たのは席が前のほうだったからかも。
組長さんを中心とした110周年の歌、かなり音を外しているというブログを見ましたが、この日はそんなことはありませんでした。
他の人のコーラスに支えられている感じではありますが。
おまけで付いてくるものなので、
これぐらいがちょうどいいのかも。
前楽だったので、大階段を降りてくるとか、お花を渡したり、というのがありません。
観客も白い服や、ファンクラブの会服の人もいましたが、ほとんどは普通の服でした。
貴重な前楽を観劇でした、とても幸運でした。
サヨナラショーだけでは見れる人が限られるので、ショー(Grande TAKARAZUKA 110!)のほうが、出演者にあててかかれたような歌詞で、生まれ変わってもまた会える、というのは対談しても別の舞台で会えるってことかな?
私は寂しさはありませんでしたが、劇場内は泣いてる人もいました。
ついつい、作品を通じてその頃の自分のことも思い出します。
月城かなとの月組は別箱も含めて結構見てました。
ブラックジャックや、G.O.A.Tも。
トップになる前のフィッツジェラルドのお話The last partyとか。
逆に、コロナで中止になり見れなかったグレート・ギャツビーもあったなぁと。
まだ大劇場千秋楽、東京公演もありますが、今後のれいこさんの活躍を期待してます。