![](https://stat.ameba.jp/user_images/20190512/16/kurikurijazz/30/42/j/o2048153614408376537.jpg?caw=800)
5月11日、天候に恵まれた中で、スガダイロートリオのネフェルライブがおこなわれた。
今回も前回同様、この素敵でおしゃれなトリオを聴きたくて大勢のお客さんがネフェルに集まった。
若くてかっこいいミュジシャン3人ゆえに、いつもより若い女性客が多かった。
リハーサルで、スガダイローさんは椅子の上で脚を組みいつものスタイルでクラシックのバイエルのような指練習を始めた。(それにしても綺麗な指だなあ・・・)
類家さんは、俯き加減であの掠れた独特の音をマウスピースで出していた。
池澤さんは、ボニードラムを超気に入り楽しそうに叩いていた。
今回は驚いたことに、全ての演奏曲がスタンダード曲であったことだ。
『Come Rain or Come Shine』
から始まり、
『Autumn Leaves』
『Monks Mood』
『Fire Waltz』
『In a Sentimental Mood』
『Bemsha Swing』
そして、アンコール曲は
『By By Blackbird』
でもでも、アヴァンな彼らがフツーにスタンダードする訳がない、
「あれ❓❓❓、この曲聴いたことあるけど、なんだっけ❓」的な超過激というか原曲をメッチャ・デフォルメさせて、まるで謎解きのような演奏ばかりなのでぼくは非常に楽しかったし、感心すると共に興奮した。
それは、まるでジャクソン・ポロックの抽象絵画を見ているような、イマジネイティヴで刺激的な演奏ばかりであった。
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類家心平さんのトランプペットは、人間の呻き・怒り・嘆き・笑い・自己韜晦・囁き等色々な表情の声を紡ぎ出す。
これはぼくの持論だが、リスナーはそのミュジシャンの個性を聴きに来ているのである。
彼(彼女)しか出せない音(音色)を聴きに来ているのである。
そして、その個性とは約30秒くらい聴いていたら、そのミュジシャンが誰か分かる。
T・モンク、 B・エヴァンス、C・テイラー、S・ロリンズ、C・ベイカー、E・ドルフィー、P・デズモンド、S・ヴォーン、山下洋輔、川嶋哲郎等々・・・、30秒ぐらい聴いていたら、だいたい分かる。
類家心平さんもぼくは15秒ぐらい聴いていたら間違いなく分かる。
まるで、トランペットを持ったE・ドルフィーだ!(現に、E・ドルフィーの『Fire Waltz』を演奏していた)
身体をくねくねとくゆらせ、右腕を水平に上げ、また深くお辞儀をするようにペットを下に向け、妖艶で掠れた音を、膨よかで 丸みを帯びた音をペットに先からモヮ〜(フヮ〜)と出す。
また、シャープにとんがった音をピストンに指を立てて(ベンド奏法?)マシンガンのように連発し、ドギモを抜かす。
それは、何か怒リをぶつけているような音でもある。
彼のトランペットは何回聴いても飽きない・・・。
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スガダイローさんのピアノも今回で二回目だが、やっぱ超個性的でだいたい20秒ぐらい聴いていたら、彼だと分かる。
どのスタンダード曲も、夢見心地でクラシカルな波に揺られているようなイントロから始まり、インテンポになるとスウィンギーなフォービートになり、そして快適にスピードを増し、更に曲がピークに達すると目にも留まらぬ速さで10本の指が20本ぐらいに見えるほどになり、その怒涛の演奏でネフェル空間は音・音・音の洪水状態になる。
スタンダード曲は、当然メロディがハッキリしていてそのコード進行もガッチリしているのだが、その決められたワクの中で最大にぎりぎりにデフォルメしてインプロヴァイズしていくのだから、こちらは痙攣しそうになる・・・。
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池澤龍作さんのドラミングもかなり迫力がある。
A・ブレイキーのように口を開け、メロディーの起伏に合わせてスムーズに時には激しく叩き、ピアニストをトランペッターを煽り立てる。
彼は、タンバリンやアゴゴベルやギロのようなパーカッションもいろいろ用意して曲に合わせてそれらを鳴らす。
その躍動するリズム、その瞬間火を噴くようなエナジーが飛び散り、何か叫んでいるように見える。
彼ら3人が織りなす音楽は、ジャズの近未来を見つめているよう・・・、そんな風にも感じた素晴らしいひとときであった。
お客さんも大満足だったに違いない。
あっ、ミュジシャンと一緒に記念撮影、パチリ、を忘れた‼️
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本日購入した彼らのアルバム。
Shinpei Ruike Quartet
『Lady’s blues』
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SUGA DAIRO TRIO
『2019:a Flying Duke』
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スガダイロートリオ
『刀文』